日本M&Aレビュー 2020年第2四半期|フィナンシャル·アドバイザー
日本M&A 42%減少
2020年上半期(1-6月期)の日本関連M&A公表案件は5.1兆円で、前年同期から42%低下し、2013年以降最低水準となった。1,000億円超の案件は前年同期比75%減少の5件、金額は1.3兆円と前年同期比72.7%減った。一方、全体の案件数は2,178件と過去最多となった。
ハイテクノロジーが首位
業種別で見ると、最も買収の対象となったのはハイテクノロジーで、金額ベースで全体の27.8%を占めて日本市場を牽引した。ただ、前年同期比では34.2%減。2位の金融は前年同期比39.3%減の7,558億円、3位の工業は同27.1%減の6,788億円だった。
国内案件 5%減少、IN-OUT案件 70%減少
マーケット別でみると国内案件は前年同期比5.4%減の3兆円で、2年連続で低下となった。今期は上位10中、MBO案件が2件ランクインした。ベインキャピタル(KK BCJ-44)によるニチイ学館取得案件は1980年の集計開始以来3位、PSMホールディングスによる総合メディカルグループ取得案件は5位の規模となった。
IN-OUT案件は1.4兆円、前年同期比では69.6%減少し、2013年以来最低水準となった。最も買収の対象となったのは米国で、前年同期を74%下回る4,890億円となった。2位はシンガポールで、これには上位10にランクインした三菱UFJフィナンシャルグループとTISによるグラブホールディングス出資案件が寄与した。日本企業によるシンガポール出資案件は歴代の上位6件がすべてグラブホールディングス関連の案件。
完了案件 27%減少
完了案件は、14.9兆円と前年同期比で27.3%低下した。一方、案件数は1,679件と前年同期比14.8%増加した。
順位 | ランク日 | 被買収側企業 | 被国籍 | ランクバリュー(億円) | 買収側企業 | 買国籍 |
1 | 2020年1月31日 | 日立ハイテクノロジーズ | 日本 | 5,311.2 | 日立製作所 | 日本 |
2 | 2020年5月19日 | ソニーフィナンシャルホールディングス | 日本 | 3,955.4 | ソニー | 日本 |
3 | 2020年2月3日 | パナソニック 車載用角形電池事業 | 日本 | 1,511.4 | トヨタ自動車 車載用角形電池事業 | 日本 |
4 | 2020年5月8日 | ニチイ学館 | 日本 | 1,374.8 | ベインキャピタル(KK BCJ-44) | 日本 |
5 | 2020年6月9日 | LIXILビバ | 日本 | 1,068.8 | アークランドサカモト | 日本 |
6 | 2020年2月5日 | 総合メディカルホールディングス | 日本 | 965.7 | PSMホールディングス | 日本 |
7 | 2020年2月25日 | グラブホールディングス | シンガポール | 947.6 | 投資家グループ | 日本 |
8 | 2020年2月6日 | 東京センチュリー | 日本 | 938.0 | 投資家グループ | 日本 |
9 | 2020年1月23日 | 昭和飛行機工業 | 日本 | 935.1 | BCPEプラネットケイマンLP | ケイマン諸島 |
10 | 2020年3月2日 | 武田薬品工業 ラテンアメリカの一般用医薬品とノンコア資産 | ブラジル | 891.6 | ハイペラ | ブラジル |
出典:Refinitiv(リフィニティブ)
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本記事は、「Refinitiv 2020年第2四半期 M&A市場リーグテーブル<日本市場版>」より転載許可をいただいて一部掲載しています。