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投資ファンドによるM&A(下)M&Aの舞台裏

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東芝<6502>は、2017年6月21日の取締役会で、半導体子会社の売却先として、官民ファンドの産業革新機構、米国買収ファンドのベインキャピタル、日本政策投資銀行などが参加する企業連合と優先交渉することを決定した。企業連合側が提示する買収額は2兆円に上るという。

ベンチャー投資においても、事業再生においても、投資ファンドの存在感は近年ますます高まっている。以下では、前回に引き続き、投資ファンドがM&Aの舞台裏で見せる動きを追ってみたい。

ベインキャピタルのM&A

ベインキャピタルは米国を拠点とする世界的なPEファンドの1つである。同社が各国で関与してきた買収事例については枚挙にいとまがないが、日本においても印象的なディールをいくつも手掛けている。

その代表的なものとして、すかいらーく<3197>が挙げられる。ベインの立ち位置は、当初2006年のMBOによる上場廃止を主導した野村プリンシパル・ファイナンス(NPF)などから2011年に株式を譲り受けたセカンダリー・パーチェス(二次買い取り)であった。その後、ファミリーレストラン「すかいらーく」からの完全撤退と低価格帯店舗「ガスト」などへの移行が功を奏し、2014年に東証1部に再上場を果たすこととなる。

2011年11月に96%程度取得した株式は、2014年の上場後に70%程度、2015年6月、2017年3月の一部売却で約33%となった。6月15日には、さらに約13%を海外機関投資家などに売り出し、最終的な保有比率約20%になる予定であることを発表したところだ。なお、再上場時の時価総額は初値で計算すると約2,300億円、2017年6月における時価総額は3,000億円を超えている。

ベインキャピタルの売買事例

時期投資先金額内容
2007年2月 サンテレホン 不明 エグジット
2014年2月 マクロミル<3978>513億円 100%取得、17年3月再上場
2012年7月 ジュピターショップチャンネル 1000億未満 50%取得、16年3月JCOMに売却済
2011年11月 すかいらーく<3197>2600億 円96%取得、現在33%保有
2010年2月 ドミノ・ピザ ジャパン 60億円 100%取得、13年9月ドミノ・ピザ・エンタープライズに75%を180億円で売却、現在25%保有
2009年12月 ベルシステム24<6183>1200億 円100%取得、14年伊藤忠に50%売却、現在50%
2015年3月 大江戸温泉物語<3472>500億円 100%取得
2015年4月 雪国まいたけ 95億円 100%取得、15年6月上場廃止

※時期は当初取得時期、金額は当初取得金額。
※大江戸温泉物語は、大江戸温泉リート投資法人(REIT)で上場

会計コラム

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