こんにちは。ビズサプリの辻です。
東芝の過去の決算の利益の減額は総額2248億円にのぼるそうです。不適切会計の発覚後、金額の大きさに加えて、いわゆるガバナンス優良会社と言われてきた会社の不祥事ということで非常に大きな注目を集めました。
その東芝の不適切会計の要因の一つに、「チャレンジ」と称する業績プレッシャーがあったということが第三社委員会報告書でも指摘されています。不正の要因の1つに「プレッシャー」があるとされています。今回はこのプレッシャーについて少し考えてみたいと思います。
なお、文中の意見は筆者個人の私見であることを予めご了承ください。
業績プレッシャーは悪なのでしょうか。
多くの方が感じているように、企業が一定の利益目標を掲げ、それを達成するために一丸になって取り組むこと自体、珍しい話ではないでしょう。
クライアントの方からも、「いやぁ、あれぐらいのプレッシャーはかけるよね。」とか「うちも業績が悪くなったら、これぐらいはあるんじゃないかな。」という声をお聞きしました。
また、利益目標を一見達成不可能な目標とすることで、画期的なイノベーションが生まれる原動力となっていくこともよくある話です。
稲盛和夫氏は、著書「生き方」の中で、「いっけん無理だと思える高い目標にひるまず情熱を傾け、ひたむきな努力研鑽を惜しまない。そのことが私たちの能力を、自分自身でもびっくりするほど伸長させる。あるいは眠っていた大きな潜在能力を開花させる。」といっています。いわゆる「一皮むけたな。」ということです。
そして、経営者にとって業績プレッシャーは重いものです。「なんだかんだいっても、会社とその最高経営責任者は、”業績”というただ一つの基準によって評価されてしまう」(プロフェッショナルマネージャー ハロルドジェーン著)ものです。業績プレッシャー自体は悪ではないでしょう。