決算短信の自由度の向上
東証は上場企業に対して2017年3月期末から決算短信の簡素化を認ました。決算短信の自由度の向上について考えてみたいと思います。
こんにちは。ビズサプリの庄村です。
多くの上場会社では、株主総会に向けて会社役員の選任決議案に向け動き出しています。その中で「補欠監査役」選任という見慣れない議案が上がっています。今回は「補欠監査役」について説明していきます。
「補欠監査役制度」は平成15年から認められることとなった制度で、監査役の数が次期の株主総会までの間に死亡等の理由により欠けることになる場合に備え、あらかじめ株主総会で補欠の監査役を選任しておき、監査役の死亡等により定員数を欠いた時は、あらかじめ選任されている「補欠監査役」が「監査役」に就任できることができるというものです。
いわゆる大会社では社外監査役を監査役会の半数以上選任しなければなりません。このような中で社外監査役が任期中に死亡、辞任等をすることにより社外監査役の定員数が欠くことになった場合は、臨時株主総会を開催して後任者を選任するか、裁判所に仮監査役の選任を請求する必要がありました。
しかし、上場会社等にといっては臨時株主総会の開催は多額の手間と費用を要することとなります。
そのため、社外監査役の半数確保が容易になり、かつ会社の負担軽減を図るために社外監査役の補欠を予め選任できるようになりました。
では、補欠監査役の選任を行うために必要な手続きはどのようなものでしょうか。
1.定款に「補欠監査役を選任することができる。」旨を規定する必要があります。したがって、定款変更のための株主総会特別決議が必要です。
2.「補欠監査役」は、監査役が欠けたときは「監査役」に就任することになりますので、補欠監査役候補者として株主総会議案とするには、監査役の選任議案と同様に監査役会の同意が必要です。
3.補欠監査役の選任のための取締役会決議と株主総会招集通知に添付する参考書類に補欠監査役に関する事項を記載しなければなりません。
4.株主総会で補欠監査役選任を議決する要件(定足数)は、監査役を選任する場合と同様であり、また、議決した場合には補欠監査役の氏名及び補欠監査役である旨を株主総会議事録に明記しなければなりません。
東証は上場企業に対して2017年3月期末から決算短信の簡素化を認ました。決算短信の自由度の向上について考えてみたいと思います。
今回は、コーポレートガバナンス・コードの「そもそも」の「その2」です。コードの中身について、お話をすることにします。