今回は、親子上場のメリットとデメリットについて紹介します。

1. 親子上場の多い日本

 日本は親子上場をしている会社が多い国です。

 ソフトバンク<9984>とヤフー<4689>、日立グループ、NTT<9432>とNTTドコモ<9437>、キヤノン<7751>とキヤノンマーケティング<8060>など有名企業が多く親子上場しています。新規上場でもGMOインターネット<9449>のように、親子までいかなくとも関係会社を多く上場させているところもあります。

 日本以外では、ロシアのガスプロムのように親子上場しているケースはありますが、少数派です。

 米国では親子上場の弊害が現実となったケースもあり、特に親子上場への警戒心が強いようです。

 有名な事例としてはTransamericaという会社がMBAコースのケーススタディなどにも使われているようです。(Transamericaという会社が、子会社化した会社が持っていた含み益のある資産を自社に売却させ、さらにその子会社を清算してしまったために少数株主から訴えられたそうです。この事例に詳しい方は是非ご教示を!)

 日本は伝統的に銀行による間接金融の役割が大きく、加えて株式の持ち合いで安定株主を作る経済システムを長く続けてきました。親子上場は子会社にとって究極の安定株主といえます。日本の親子上場が多いのは、資本の論理よりも経営の安定を歓迎してきた結果と言えそうです。

 とはいえ、日本の親子上場も減りつつあります。少数株主への配当が企業グループからのプラスアルファの資金流出となること、内部統制対応など上場維持コストも増加傾向なこと、重要な意思決定に大規模な株主総会が必要で子会社の意思決定が迅速化しにくい、といった背景があるようです。