インテグラルのM&A

インテグラルも日本で設立された独立系のエクイティ・ファンドだ。2007年設立と社歴はさほど長くないが、同社の代表である佐山展生氏はユニゾン・キャピタルやGCAなど有力ファンドの創業者の1人であり、日本におけるM&Aのパイオニア的存在でもある。

たとえば、航空会社のスカイマークへの投資は、15年2月以降の民事再生手続のもとにおける第三者割当増資引受によるものである。インテグラルからは常駐担当者を派遣し、再生対応、管理部門強化に取り組んでいる。自己投資とファンドを自在に組み合わせ、経営管理にしっかり入り込む手法は同社の特徴といえる。

インテグラルの売買事例

時期投資先金額内容
2015年2月 スカイマーク<9204>91億円第三者割当により50%保有
2014年12月 QBネット 100億円 株式譲渡による取得
2011年3月 アパマンショップ<8889>18億円 第三者割当による取得

産業革新機構のM&A

産業革新機構は、官民ファンドという意味で、上記の投資ファンドとは趣を異にする。オープンイノベーションの推進を目指し、特別法にもとづいて2009年7月に設立された会社であり、運営に関しては民間主体であるものの、投資可否の判断は社内の産業革新委員会で政府の定める支援基準に従って行われる。

ジャパンディスプレイ<6740>は、産業革新機構主導のもと、ソニー、東芝、日立のディスプレイ事業を統合して誕生したという特異な性格を持つ。14年3月、東証1部上場を果たしたものの、初値は公開価格 900円より15%程度安い769円となった。それでも、産業革新機構の投資成果という視点では、上場時点の売却益と含み益の合計で1300億円ほどの利益が出た計算になる。

産業革新機構の売買事例

時期投資先金額
2013年9月 ルネサスエレクトロニクス<6723>1383億円第三者割当69%、うち17年6月に19%売却
2012年4月 ジャパンディスプレイ<6740>2000億円14年3月同社上場により一部売却、17年追加投資

まとめ

前回、今回で紹介した投資ファンドには、国際的な戦略系コンサルティングファームを母体とするバイアウト・ファンド、日本国内の独立系エクイティ・ファンド、官製ファンドなど種々のタイプがある。

これらの投資ファンドは、案件によって、投資期間の長短、自己勘定やMBOの活用方針、セカンダリー・パーチェス(二次買い取り)などの参入フェーズにおいて違いが見られる。その手法は事業会社が行うM&Aにおいても参考にできるところがあるのではないだろうか。

文:M&A Online編集部