今回は、D&O保険についてお話します。読者の中には、聞き慣れない方もおられるかもしれません。D&O保険についてやさしくご説明したいと思います。

1. D&O保険とは

 D&Oというのは、Director & Officerということです。Directorは役員で、Officerは執行役員レベルの人たちを指します。D&O保険は、英語ではDirectors’ and Officers’ Liability Insurance、日本語にすると「会社役員賠償責任保険」になります。

 なぜ、わざわざ英語で「D&O保険」と英語で呼ばれるのかというと、欧米から入ってきた保険だからのようです。

 役員が損賠賠償訴訟を起こされると、その結果に応じて、次のいずれかの費用がかかります。D&O保険は、これらの費用を補償するための保険です。

 勝訴 : 弁護士費用+調査費用

 和解 : 弁護士費用+調査費用+和解金

 敗訴 : 弁護士費用+調査費用+賠償金+原告訴訟費用

 日本では、上場企業の約 9 割がD&O 保険に加入しています。(経済産業省「日本と海外の役員報酬の実態及び制度等に関する調査報告書」平成27年3月)。D&O保険は会社が加入し、その保険料は会社が負担しています。

 ただし、これまでは株主代表訴訟を対象とする部分については、役員個人が負担していました。