1990年代末からの日本企業によるM&Aの増加をもたらした要因の1つとして、企業による選択と集中(過度な多角化の修正)があげられることが多い。しかしながら、そうしたリストラクチャリングとM&Aの増加にどのようなつながりがあるのかは、十分に明らかではない。この研究は、企業間の子会社買収(売却)に注目し、このつながりを分析するものである。サンプルは、1996年から2010年の間に東京証券取引所1部上場企業間で行われ、日本経済新聞において報道された149件の取引である...
慶應義塾大学・牛島辰男教授が解説する。1990年代末を境に日本企業によるM&Aは大幅に増加。企業による「選択と集中」、学術的な研究からは、これまでほとんど明らかにされていない……