今回は、コーポレートガバナンス・コードの基礎の基礎を取りまとめてみました。良くご存知の方も復習の意味でざっとお読みいただければ幸いです。

1. そもそも「コード」とは?

 日本語でコードというと、普通は電気のコードを思い浮かべます。それはCORDです。コーポレートガバナンス・コードのコードはCODEですので綴りが違います。このCODEにはいろいろな意味があります。暗号や信号を秘密のコードということもありますね。法律という意味もあり、Civil Codeは民法、Commercial Codeは商法ということになります。

 コーポレートガバナンス・コードのCODEは、学校や同業者などで定めた体系的な規約、規則、慣例を指します。日本のコーポレートガバナンス・コードは上場会社を対象にしていますので、上場会社が守るべき約束事を体系的にまとめたものが「コード」の意味になります。

2. そもそも「コーポレートガバナンス」とは?

 コーポレートガバナンスは、企業統治と訳されることがあります。国家のことはGovernment(ガバメント)と言いますね。Governance(ガバナンス)は国の統治や行政のことを指します。それを企業に当てはめたのがコーポレートガバナンスです。

 企業にも、政府が国を統治するようなことがあります。すなわち、株主が株式会社を「統治」したり、株主から経営を任された経営者が組織を「統治」したりします。ただし「統治」というと大げさですね。良い日本語がないので「統治」が仮に使われていると考えて良いでしょう。しかし、最近は企業統治ではなくコーポレートガバナンスと呼ぶのが一般化してきました。

 後者の経営者による組織の「統治」は、経営そのものですので、コーポレートガバナンスに含まれないという考えが一般的と思います。しかし、子会社ガバナンスとか、グローバルガバナンスという呼び方があります。これは親会社が株主として子会社を監督・管理するところから、そう呼ばれるようになったのだと思います。親会社による子会社ガバナンスは、本来、親会社による経営の一環であり、株主と株式会社の関係とはだいぶ状況が異なります。

 余談ですが、役所や新聞社は、できるかぎりカタカナを使わないようにしているようです。役所の場合は、外来語をそのまま使わず、できる限り日本語化する方針です。また新聞は、パッと見て理解できることや、文字数節約の観点から漢字で表記する方針です。そのような環境でも、コーポレートガバナンス・コードはカタカナ表記を守りました。「企業統治規約」とか「企業統治コード」でも良かったかもしれませんが、コーポレートガバナンスという言葉が一般に定着しており、かつ「統治」が企業にはふさわしくない用語であることから、カタカナ表記になったのだと考えられます。