アマゾンに対抗するのは無意味

さらにアマゾンのような自社配送であれば受注後直ちに発送できるが、楽天市場ではこれも出展者任せとなる。こうした顧客の安心感や物流のスピードで、楽天市場はアマゾンに引き離されつつあるのだ。さらに自社で一括配送となると、出店者から商品の保管料や配送手数料を徴収できるため利益率も向上する。

もちろん楽天も自社配送に取り組んでいる。ただ、楽天が2012年に楽天市場出店者向けにスタートした物流アウトソーシングサービスは、2014年に運営子会社が債務超過に陥って解散した。楽天は一度失敗した自社配送に再び取り組む。楽天は現在、神奈川県相模原市、千葉県市川市、兵庫県川西市の3つの大型物流拠点を持つが、2年以内に全国10カ所と拡充する。物流拠点から顧客宅へ届ける「ラストワンマイル」の末端物流も自社で構築する構想もあるという。

しかし、こうした物流拠点の整備には巨額の投資が必要で、ただでさえ伸び悩んでいる営業利益をさらに減らす要因になりかねない。加えて注文から最短2時間半で商品を無料配送する超速配サービスでアマゾンの牙城に食い込む家電量販店大手のヨドバシカメラのECサイト「ヨドバシ・ドット・コム」のような新規参入勢力も力をつけてきた。

ヨドバシ・ドット・コムに対抗して楽天は2018年4月、家電量販店大手のビックカメラと提携して楽天市場内に家電通販サイト「楽天ビック」を開設。楽天ビック内で購入した商品をビックカメラの実店舗での受け取りが可能なほか、店頭在庫をサイト上で確認して実店舗で取り置きできるサービスなどを展開するが、いずれもヨドバシ・ドット・コムの二番煎じ感が否めない。都心部でビックカメラの配送網に他の楽天市場出店者の荷物を「相乗り」させるなど、さらに踏み込んだ対応が求められる。真正面からアマゾンに対抗するのは無意味だ。

楽天ビック
家電EC拡大のために開設した「楽天ビック」(同社ホームページより)