東京海上ホールディングスは5日、子会社の東京海上日動火災保険(東京都千代田区)を通じて、台湾4位の損害保険会社で合弁運営する新安東京海上產物保險股份有限公司(台北市。正味収入保険料558億円、税引き前利益67億8000万円、純資産509億円)の株式1.24%を追加取得し、子会社化することを決めた。現在48.94%の持ち株比率を50.18%とする。新安東京海上は、新型コロナウイルス関連の保険金支払いによる損失拡大で増資が必要な状況となっていた。取得価額は約338億円。取得予定日は2022年9月30日。
新安東京海上は2005年に、台湾の大手企業グループの裕隆集團と東京海上日動を中心に設立。自動車保険を主体に成長し、インターネットによる保険販売にも強みを持つ。
台湾では2022年4月のゼロコロナ政策の変更などで新規感染者数が急増。新型コロナ感染症の罹患時などに保険金を支払う商品により台湾の損害保険市場全体が大きな損失を被った。新安東京海上も保険金支払いによる損失が膨らんでいた。こうした中、東京海上側が株式の過半を取得し、経営の主導権を握ることで合弁パートナーの裕隆集團と合意した。
東京海上が主導して商品開発やリスク管理を含めた経営管理の仕組みを高度化し、成長市場である台湾で収益の成長と安定化を目指す。