携帯電話、出版取次…バラエティー豊かなM&A

これに先立つ2017年11月には、プラスワン・マーケティングの国内で格安携帯電話サービスを提供する仮想移動体通信事業者(MVNO)の「FREETEL」を買収し、傘下のMVNO「楽天モバイル」に統合した。この時は競争が激しいMVNOでのシェア固めが目的とみられていた。ところが同年12月に楽天は自前の通信インフラを持つ携帯キャリア事業への新規参入を発表。キャリア移行を見すえた顧客獲得の取り組みであることが判明する。

2018年5月には国内出版取次3位の大阪屋栗田の第三者増資を引き受け、出資比率を51.0%に高めて子会社化した。大阪屋栗田の書籍・雑誌物流基盤や書店ネットワークとの連携を深め、楽天グループの会員やIT基盤を活用することでシナジーを創出するのが狙いという。

全国の書店で導入を進めている共通ポイントサービス「楽天ポイントカード」や、同月に配信を開始した書店情報を提供するスマートフォンアプリ「Readee PLUS+(リーディー プラス)」、アプリと連動した書店店頭でのデジタルサイネージの活用などに取り組み、リアル書店の販売をサポートするインフラづくりに取り組む。

同年6月には位置情報技術を開発するスタートアップの米カーブサイドを買収した。同社は顧客の位置情報をもとに到着時間を予測するサービスを展開している。同社のシステムを導入した店舗は顧客の到着時間に合わせて商品を提供でき、消費者はアプリを使って店舗へ事前に注文しておけば、店舗での待ち時間なしに商品を受け取れる仕組みだ。

顧客の位置情報を把握して、来店と同時に商品を渡せるサービスにも参入する楽天(Photo by Sendai Blog)