が、年ごとのM&A件数と実質経済成長率の関係をグラフにしてみると、完全に連動しているとは言い難い。たとえば過去10年間で35件と最高だった2019年の経済成長率は0.67%。確かに高くはないが、それよりも低い2018年(経済成長率0.28%)は22件だったし、2014年(同0.38%)も23件に留まっている...
2020年10月のM&A件数は前年同月比5件減の69件となり、3カ月連続で前年を下回った。1~10月の累計は前年を超えるペースを維持しているのの、コロナ禍の出口が見通せない中、停滞感が否めない。ホームセンターの島忠を巡る買収合戦も勃発した。
7月のM&Aは前年同月比3件増の70件となり、3カ月連続で前年を上回った。7月として2011年以降の過去10年で最多。新型コロナウイルス感染拡大の逆風下、国境を超える海外案件は低調だったものの、国内案件が底堅く推移した。
6月のM&Aは前年同月比8件増の55件だった。6月として過去10年間で最多。ただ、海外案件は9件と2018年6月以来2年ぶりに1ケタにとどまり、国内回帰の構図が鮮明に。案件の小型化も顕著で、新型コロナ感染による慎重姿勢の広がりがうかがえる。
2020年1~3月期の企業別のM&A件数(グループ内再編を除く)を適時開示情報に基づき集計したところ、三井松島ホールディングスが5件(うち1件は売却案件)で最も多かった。同社は非石炭事業への経営多角化に向けてM&Aを推し進めているが、一気にアクセルを踏み込んだ形だ。