日本M&Aレビュー 2020年第3四半期|フィナンシャル·アドバイザー

日本M&A案件情報概要

日本M&A 56%増加、歴代2位の水準
2020年第3四半期(1-9月期)の日本関連M&A公表案件は21.4兆円と、前年同期から56%増加し、1980年の集計開始以来歴代2位の規模となった。1,000億円超の案件は19件・16兆円に達し、前年同期から92.7%増加した。全体の案件数は3,196件に達し、過去最多となった。

ハイテクノロジーが首位
業種別で見ると、最も買収の対象となったのはハイテクノロジーで、前年同期比134.9%増となる6.1兆円。全体の28.3%を占めて日本市場を牽引した。2位は通信で4.8兆円、3位は小売で、3.2兆円となった。

国内案件 125%増加、IN-OUT案件 29%減少
マーケット別で見ると最も活発だったのは国内案件で、前年同期比124.7%増となる9.9兆円、1-9月期では2005年以来の高水準となった。これには今期の首位案件となった日本電信電話(NTT)によるNTTドコモ買収案件が寄与した。同案件は国内の通信セクターでは過去最大の規模。これにより、通信関連の国内案件は前年同期比では291倍に飛躍した。今期、国内案件で2位となったのはリテールインベストメント(伊藤忠商事)によるファミリーマート取得案件で、国内の小売業界は総額9,856億円に達し、前年同期から89.1%の増加となった。

IN-OUT案件は5.5兆円、前年同期比では28.5%減少し、2014年以来最低水準となった。こうした買収先の大半は米国で金額では2.8兆円と、前年同期から17.3%増加した。中でも、セブン-イレブンによるスピードウェイ買収案件は対米の小売関連で過去最大の規模となった。日本ペイントホールディングスによるウットラムの子会社(二プシー)取得案件は、シンガポール企業取得案件では過去最大。これにより、日本企業によるシンガポール企業への出資額は、総額1.2兆円に達し集計開始以来最大の規模となった。また海外買収国として最も活発だったのは米国で、日本は3位、中国は9位に落ち込んだ。

完了案件 23%減少
完了案件は、18.4兆円と前年同期比では23.4%低下した。一方案件数は、2,424件に達し前年同期から10.9%の増加となった。

日本M&Aランクバリューの推移(兆円)

日本M&Aランクバリューの推移(兆円)

日本企業関連 公表案件 上位10位

順位 ランク日 被買収側企業 被国籍 ランクバリュー(億円) 買収側企業 買国籍
1 2020年9月29日 NTTドコモ 日本 42,544.9 日本電信電話(NTT) 日本
2 2020年9月13日 アーム 英国 42,456.0 エヌビディア 米国
3 2020年8月2日 スピードウェイ 米国22,234.8 セブン-イレブン 米国
4 2020年8月21日 ニプシー シンガポール 10,496.5 日本ペイントホールディングス 日本
5 2020年7月8日 ファミリーマート 日本 5,808.8 リテールインベストメントカンパニー合同会社(伊藤忠商事)日本
6 2020年1月31日 日立ハイテク日本 5,311.2 日立製作所 日本
7 2020年6月22日 TモバイルUS 米国 5,130.2 ドイツテレコム ドイツ
8 2020年5月19日 ソニーフィナンシャルホールディングス 日本 3,955.4 ソニー 日本
9 2020年9月24日 日立キャピタル 日本 2,998.2 三菱UFJリース 日本
10 2020年4月1日 アイシン・エィ・ダブリュ 日本 2,969.6 アイシン・エィ・ダブリュ 日本

出典:Refinitiv(リフィニティブ)

(注)公表案件ベースのリーグテーブル・ランキングは、リフィニティブが認識している2020年1月1日から2020年9月30日の期間に公表された案件を対象としており、今期および昨年の全てのデータは、日本時間2020年10月1日10時に抽出したものである。ランキングにおける取引金額はすべて日本円で表示され、不動産案件は除外している。リーグテーブル対象となるのは、合併、買収、市場を介さない自己株式取得、スピンオフ、公開買付による自社株買い、少数株主持ち分(50%以下)の株式取得、及びデット・リストラクチャリング案件である。

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本記事は、「Refinitiv 2020年第3四半期 M&A市場リーグテーブル<日本市場版>」より転載許可をいただいて一部掲載しています。