2020年1~9月のM&A金額(適時開示ベース)は前年同期比倍増の9兆6860億円となり、2018年(11兆3255億円)に次ぐ過去2番目の高水準を記録した。

第3四半期に「兆円」クラスが3連発

新型コロナウイルス感染拡大を受けた緊急事態宣言と重なった4~6月(第2四半期)は3543億円と過去10年間で2013年と並ぶ最低レベルまで落ち込んでいた。ところが一転、7~9月(第3四半期)はソフトバンクグループ(SBG)による4.2兆円の売却をはじめ、兆円クラスのM&A案件が3件連続し、金額が跳ね上がった。

SBGが売却を決めたのは2016年に傘下に収めた英半導体設計大手アーム(ARM)。売却額は最大4.2兆円に上るが、これは日本企業がかかわるM&Aの取引金額として歴代2位となる超ビッグディール。売却先は米半導体大手のエヌビディア。SBGは9000億円規模の差益を得る見通しだ。

ソフトバンクグループの本社前(東京・芝浦)

一方、1~9月のM&A件数は605件で、前年同期と同水準をキープしている。新型コロナ下、海外案件が低調ながら、国内案件が底堅く推移し、件数を牽引する展開となっている。

1~9月の取引金額ランキングの上位30は次の通り。

◎2020年1~9月のM&A:金額上位30(青字は直近7~9月の発表分)

1ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計大手アームを米エヌビディアに売却4.2兆円   
2セブン&アイ・ホールディングス米コンビニ大手のスピードウェイを買収2.2兆 円  
3ウットラムグループ(シンガポール)日本ペイントホールディングスを子会社化1.18兆円  
4三菱商事・中部電力オランドのエネルギー企業、エネコを買収5000億円  
5武田薬品工業武田コンシューマーヘルスケアを米投資ファンドに売却2420億円 
6アークランドサカモトホームセンター中堅のLIXILビバをTOBなどで子会社化1085億円   
7ニチイ学館投資ファンドのベインキャピタルと組みMBOで非公開化999億円   
8前田建設工業前田道路をTOBで子会社化861億円   
9総合メディカルホールディングス総合メディカルホールディングス、投資会社ポラリスと組みMBOで非公開化763億円   
10  米ベインキャピタル三井E&Sホールディングス傘下の昭和飛行機工業をTOBで子会社化694億円   
11  大王製紙丸紅と共同でブラジルの衛生用品メーカー大手Santherを買収584億円   
 12    新生銀行ニュージーランド大手のノンバンクUDC Financeを子会社化515億円   
 13    ノーリツ鋼機DJ・クラブ機器大手のAlphaTheta(旧パイオニアDJ、横浜市)を子会社化350億円   
 14    豆蔵ホールディングス投資ファンドのインテグラルと組みMBOで非公開化344億円   
 15    キリン堂ホールディングス投資ファンドのベインキャピタルと組みMBOで非公開化338億円   
 16    オーデリックMBOで株式を非公開化306億円   
 17    フェローテックホールディングス半導体ウエハーの中国製造子会社の株式60%を地方政府などに譲渡296億円   
 18    ティーガイア富士通傘下で携帯電話販売の富士通パーソナルズを子会社化287億円   
 19    住友ベークライト川澄化学工業をTOBで子会社化270億円   
 20    グローリーセルフ注文・決済機器大手の仏アクレレック・グループを子会社化242億円   
 21    アント・キャピタル・パートナーズスカラ傘下のソフトブレーンをTOBで子会社化232億円   
 22    META Capital澤田ホールディングスをTOBで子会社化208億円   
23  SBSホールディングス    東芝傘下の東芝ロジスティクス(川崎市)を子会社化199億円   
 24    東海カーボン炭素黒鉛製品メーカーの仏Carbone Savoieを子会社化197億円   
 25    ツムラ漢方製剤用原料を生産・販売する中国「盛実百草」(天津)を子会社化187億円   
 26    共英製鋼カナダのMCアルタスチールから電炉事業を取得155億円   
 27    昭和産業三井物産傘下のサンエイ糖化(愛知県知多市)を子会社化150億円   
 28    タムロン創業家の資産管理会社ニューウェル(さいたま市)を子会社化(144億円)144億円   
 29    カルビーサツマイモ加工卸のポテトかいつか(茨城県かすみがうら市)を子会社化139億円   
30   ヤマダホールディングス注文住宅のヒノキヤグループをTOBで子会社化126億円   

文:M&A Online編集部