M&Aで世界最大の工作機械メーカーに

 DMG森精機<6141>はヤマザキマザック、オークマ<6103>、ジェイテクト<6473>と並ぶ国内四大工作機械メーカーの一角を占める最大手。1948年の創業時は繊維機械を製造していたが、高度成長で重厚長大産業が日本経済の主役になった1958年に工作機械へ進出。1968年には当時最新鋭だった数値制御式(NC)旋盤の製造を始めている。同社の前身である森精機製作所の名を一躍有名にしたのが、バブル景気真っ盛りだった1990年に判明した同業者の大阪機工(現・OKK<6205>)株買い占め。大阪機工の筆頭株主になって同社の経営権を握ろうとしたが、結局はM&Aに失敗。おまけにバブル崩壊に伴う株価暴落で、1992年3月期に十数億円に上る有価証券評価損を計上することになる。

 それでも同社はM&Aの手を緩めなかった。2001年5月に民事再生法を申請した池貝の子会社で、CNC立形研削盤メーカーの太陽工機を連結子会社化した。翌2002年8月に民事再生法を申請した日立精機からNC旋盤はじめ工作機械事業の譲渡を受けている。2010年3月にはソニー<6758>子会社のソニーマニュファクチュアリングシステムズから計測機器事業を買収し、マグネスケールを設立している。2015年4月にはアマダマシンツールから旋盤事業の譲渡を受けた。同社はこうした巧みなM&A戦略で業容を拡大していく。

DMG森精機の工作機械
M&Aで工作機械の品揃えも強化 By Glenn McKechnie

 しかし、何と言っても産業界を驚かせたのは、2009年3月に実施したDMGブランドで知られる欧州最大手の工作機械メーカー・独ギルデマイスターグループとの資本提携だろう。2013年10月にギルデマイスターグループとの提携強化の一環として社名を「DMG森精機」に変更、同時にギルデマイスターも社名を「DMG MORI SEIKI AKTIENGESELLSCHAFT」(DMG MORI SEIKI)に変更した。そして2015年3月の株式公開買い付け(TOB)で目標にしていた過半数の株式取得に成功し、同年5月にDMG MORI SEIKIを子会社化し、世界最大の工作機械メーカーとなった。

 その結果、DMG森精機は世界7カ国で14の開発・製造拠点を擁し、約1万2000人の従業員を雇用する巨大企業に飛躍する。中小企業から大企業まで全世界で約15万社のユーザーを抱え、さらに経営統合で15万社の潜在顧客が期待できる状態になった。