綿紡績大手のクラボウは半導体製造関連分野とライフサイエンス・テクノロジー分野で、M&Aに積極的に投資する。両分野で業容を拡大し、企業の成長を加速するのが狙いで、今後3年間に、企業や事業の買収に100億円を投じる。
工作機械業界で、主要顧客である自動車分野以外の新市場の開拓や、製造業が抱える自動化や省力化などのニーズに応えるために、自社の技術だけでは不足する部分を補う手段としてM&Aを活用するケースが増えつつある。
2023年9月のM&A件数(適時開示ベース)は77件と前年を28件下回り、7カ月ぶりに前年比マイナスとなった。前年は14年半ぶりに月間100件を超える高水準だったことから、反動減の影響が出た形だが、前月比でも18件減とペースダウンが否めない。
工作機械業界で再編の足音が高まっている。今夏、業界を騒がせたのがTAKISAWAに対するニデックによる買収予告。敵対的買収の可能性もあったが、TAKISAWAが最終的に同意した。一方、業界最大手のDMG森精機は8年ぶりの買収を発表した。
レオパレス21の施工不良問題を受け、同社株式をめぐる大量保有報告書の動きに注目が集まっている。21日、米系ファンドのブラックロックがレオパレス株を一部放出したことが判明。一方で、英投資ファンドのオデイは2月以降さらに買い増す動きに出ている。
2015年5月、日本から世界最大の工作機械メーカーの「DMG森精機」が誕生した。世界7カ国で14の開発・製造拠点を擁し、約1万2000人の従業員を雇用する巨大企業に飛躍する。中小企業から大企業まで全世界で約15万社のユーザーを抱える。その「原動力」はM&Aだった。