【トヨタ自動車】大型M&Aで新興国市場を狙う

  トヨタ自動車<7203>といえば国内では誰もが知る有名な自動車メーカーだ。2017年の国内売上高は27.5兆円。押しも押されもせぬトップ企業である。そのトヨタ自動車が大きな危機感を持ち、大型M&Aを実施した。

表1:日本企業の売上高ランキング

順位企業名売上高
トヨタ自動車27.5兆円
本田技研工業(ホンダ)13.9兆円
日本郵政13.3兆円
4日産自動車11.7兆円
日本電信電話(NTT)11.3兆円
丸紅11.1兆円
日立製作所9.1兆円
ソフトバンクグループ8.9兆円
かんぽ生命保険8.6兆円
10イオン8.2兆円

各社有価証券報告書を基にM&AOnline編集部作成

【企業概要】生産効率の源にある「かんばん方式(ジャスト・イン・タイム)」

 トヨタ自動車の起源は、トヨタグループ創設者の豊田喜一郎の父、豊田佐吉が創設した豊田自動織機製作所までさかのぼる。豊田佐吉は1897年に日本初の動力織機である「豊田式汽力織機」を完成させた。この動力織機は織り出す綿布の質が高く、一定である点が評価され、大きな注目を集めた。

 この織機には、異常が発生した際に自動停止する機能が備わっており、品質不良や手直しによる損失などを防ぐ発想が基となっていた。この機能は現在の「自動化」の起源として現在のトヨタ生産方式に生きている。

 トヨタには「かんばん方式」という独創的な生産方式がある。かんばん方式はかつてスーパーマーケット方式ともいわれ、まさにスーパーマーケットからヒントを得て考案された。

 スーパーマーケットや量販店では、商品名、品番、置き場所など、商品に関する情報が記載されている商品管理用のカードが使われている。これをトヨタでは「かんばん」と称し、生産管理の工程に道具として使用したことから「かんばん方式」と呼ばれるようになった。

 生産計画に応じて「必要なものを、必要な時に、必要なだけ」供給できれば(これを「ジャスト・イン・タイム」という)、「ムダ、ムラ、ムリ」がなくなり、生産効率が向上する。こうして優れた生産管理方式を生み出したトヨタ自動車は他の企業に差をつけ、日本を代表する世界的な大企業へと成長したのである。

 【経営陣】社長は創業家3代目の豊田章男氏

 トヨタ自動車の代表取締役会長は内山田竹志氏、取締役副会長は早川茂氏である。代表取締役社長は創業家出身の豊田章男氏だ。豊田章男氏は1979年 3月に慶應義塾大学法学部卒業後、外資の金融機関を経て1983年 4月にトヨタ自動車に入社。2009年に社長に就任している。

【株主構成】金融機関のほか、グループ各社で保有

 株主の構成は下表のとおり。大株主には金融機関をはじめ、事業会社としては豊田自動織機、デンソーなどトヨタグループの社名が挙がっている。

表2・トヨタ自動車の大株主(2017年3月期現在)

保有者名保有株式数(千株)保有割合(%)保有時価(百万円)
日本トラスティ・サービス信託銀行(株) 364,338 11.01 2,105,240.3
(株)豊田自動織機 229,274 6.93 1,325,096.8
日本マスタートラスト信託銀行(株) 156,668 4.73 904,431.1
日本生命保険相互会社 120,605 3.64 696,010.4
ステート・ストリート・バンク・アンド・トラスト・カンパニー 104,004 3.14 600,404.6
(株)デンソー 86,882 2.62 500,974.5
ジェーピーモルガンチェースバンク(ロンドン) 72,050 2.18 416,841.4
三井住友海上火災保険(株) 60,811 1.84 351,829.4
資産管理サービス信託銀行(株) 58,941 1.78 340,356.7
ザバンクオブニューヨークメロンアズデポジタリーバンクフォーデポジタリーレシートホルダーズ 56,099 1.69 323,147.7

同社有価証券報告書を基にM&AOnline編集部作成

 外国人持株比率が高いといわれていたトヨタ自動車だが、近年はその割合が減少し30%を下回っている。その分、個人の持株割合が増加していることが下図の持株割合の推移から見てとれる。

図1:トヨタ自動車の持株割合の推移

M&A Online編集部作成