ライオン<4912>は日用品の有力メーカーとして、国内有数のブランド力を誇る。歯磨きや歯ブラシ、ソープ、洗剤、薬品、機能性食品を中心とする一般用消費財から、化学品と業務用洗浄からなる産業用品まで守備範囲は広い。同社は2020年に向けた経営ビジョンに基づき、国内事業で質的成長、海外事業では量的成長を基本戦略とする。こうした国内外での事業伸長に一役買っているのがM&Aの取り組みだ。

「V-2計画」を1年前倒しで達成

  ライオンは2011年、「Vision2020」と名づけた新経営ビジョンを策定し、この具現化に向けて翌年から中期3カ年計画をスタートした。現在は第二次の「V-2計画」(2015~2017年)の最終年にあたる。「V-2計画」は売上高4000億円、営業利益200億円、ROE(株主資本利益率)10%超などを当初目標とするが、すでに2016年12月期に1年前倒しでほぼ達成。仕上げとなる2017年12月期は売上高4050億円(前期比2.4%増)、営業利益270億円(同10.2%増)と過去最高更新を見込む。

〇セグメント別の売上高

いずれも12月期決算2012年2013年2014年2015年2016年
連結売上高 (単位億円) 3,351  3,520  3,673  3,786  3,956
 ・一般用消費財  2,442  2,427  2,493  2,479  2,613
 ・産業用品    301     312     314     308     313
 ・海外    560     726     817     939    992
 ・その他     46      54      48       59      36

 売り上げ構成をみると、一般用消費財が66%を占め、産業用品8%、海外25%、その他1%。一般用消費財はオーラルケア(歯磨き、歯ブラシ)、ビューティーケア(ハンドソープ、制汗剤)、ファブリックケア(衣料用洗剤、漂白剤)、リビングケア(台所洗剤)、薬品などの商品群に分かれる。しかし、主戦場である国内は市場の成熟化が進行し、競争に拍車がかかって久しい。

 こうした中、Vision2020で掲げたのが国内事業の質的成長と海外事業の量的成長だ。国内の既存事業は量的な拡大よりも収益性の向上を目指し、海外事業は2020年までに売上比率を約2倍の30%(「V-2計画」期間中は約27%)に引き上げる方針を打ち出した。