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【三和ホールディングス】M&A駆使し、世界的建材メーカーに変ぼう
三和ホールディングスは、三和シヤッター工業を中核会社とし、シャッター、ドアで国内トップシェアを持つ建材大手。その活動の舞台は北米、欧州、アジアへと急速に広がり、海外売上高比率は45%に達する。業界屈指のグローバル企業に押し上げる原動力となったのが巧みなM&A戦略だった。
ライオン<4912>は日用品の有力メーカーとして、国内有数のブランド力を誇る。歯磨きや歯ブラシ、ソープ、洗剤、薬品、機能性食品を中心とする一般用消費財から、化学品と業務用洗浄からなる産業用品まで守備範囲は広い。同社は2020年に向けた経営ビジョンに基づき、国内事業で質的成長、海外事業では量的成長を基本戦略とする。こうした国内外での事業伸長に一役買っているのがM&Aの取り組みだ。
ライオンは2011年、「Vision2020」と名づけた新経営ビジョンを策定し、この具現化に向けて翌年から中期3カ年計画をスタートした。現在は第二次の「V-2計画」(2015~2017年)の最終年にあたる。「V-2計画」は売上高4000億円、営業利益200億円、ROE(株主資本利益率)10%超などを当初目標とするが、すでに2016年12月期に1年前倒しでほぼ達成。仕上げとなる2017年12月期は売上高4050億円(前期比2.4%増)、営業利益270億円(同10.2%増)と過去最高更新を見込む。
〇セグメント別の売上高
いずれも12月期決算 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 |
---|---|---|---|---|---|
連結売上高 (単位億円) | 3,351 | 3,520 | 3,673 | 3,786 | 3,956 |
・一般用消費財 | 2,442 | 2,427 | 2,493 | 2,479 | 2,613 |
・産業用品 | 301 | 312 | 314 | 308 | 313 |
・海外 | 560 | 726 | 817 | 939 | 992 |
・その他 | 46 | 54 | 48 | 59 | 36 |
売り上げ構成をみると、一般用消費財が66%を占め、産業用品8%、海外25%、その他1%。一般用消費財はオーラルケア(歯磨き、歯ブラシ)、ビューティーケア(ハンドソープ、制汗剤)、ファブリックケア(衣料用洗剤、漂白剤)、リビングケア(台所洗剤)、薬品などの商品群に分かれる。しかし、主戦場である国内は市場の成熟化が進行し、競争に拍車がかかって久しい。
こうした中、Vision2020で掲げたのが国内事業の質的成長と海外事業の量的成長だ。国内の既存事業は量的な拡大よりも収益性の向上を目指し、海外事業は2020年までに売上比率を約2倍の30%(「V-2計画」期間中は約27%)に引き上げる方針を打ち出した。
三和ホールディングスは、三和シヤッター工業を中核会社とし、シャッター、ドアで国内トップシェアを持つ建材大手。その活動の舞台は北米、欧州、アジアへと急速に広がり、海外売上高比率は45%に達する。業界屈指のグローバル企業に押し上げる原動力となったのが巧みなM&A戦略だった。