日本経済を変えたM&Aといえば、文句なく1999年3月の日産自動車<7201>と仏ルノーとの資本提携だろう。日産再生の切り札としてルノーから送り込まれたカルロス・ゴーン氏は、提携から18年経過した現在も代表取締役会長として日産の経営に強い影響力を持つ。ルノー=日産アライアンスは国内産業にも大きな影響を与えた。ゴーン氏主導の調達選別によるコスト削減は国内鉄鋼2位の日本鋼管(NKK)と同3位の川崎製鉄の合併を促し、JFE ホールディングス<5411>の誕生につながっている...
「2018年度に向けて(M&Aなどで)戦略投資として1兆円を投じる」 パナソニック<6752>の津賀一宏社長は2015年度の事業方針発表会で、こう高らかに宣言した。2011年に陥った業績不振から脱却し、創業100周年となる2018年からは再び成長軌道を描ける企業に変身させるのが狙いだ。これまで戦略投資は着実に実施しており、あとは現在の事業計画の最終となる2018年1年を残すのみとなった。パナソニックの成長力を左右する2018年のM&Aにはどのようなドラマが隠されているのか。投資家のみならず、多くの関係者の視線が自ずと集まる。
バンダイナムコホールディングス<7832>は、2005年9月、バンダイとナムコの経営統合により誕生した。バンダイはガンダムや戦隊ヒーローシリーズ、仮面ライダーなどのキャラクターシリーズを展開する。ナムコはパックマンやギャラクシアンなど日本が誇る世界的ゲームソフトの生みの親で、それぞれ事業領域の相互補完を目的として経営統合が成された。
2017年4月、JXホールディングスと東燃ゼネラルの経営統合により、JXTGホールディングスが誕生した。この経営統合で同社の国内燃料油販売シェアは50%にも達し、圧倒的なマーケットリーダーとなった。また、JXTGは、M&Aを活用した業界再編を通じて国内においてリーディングカンパニーとなった会社でもある。苦戦する燃料油販売事業の克服策は?
2010年にハウステンボスを子会社化するなど、ホテル事業やテーマパーク事業を拡大させる旅行業界大手のエイチ・アイ・エス。2016年10月には「M&A本部」設置を発表し、M&Aを拡大戦略に積極的に活用する方針を打ち出している。