新型コロナウイルス向けワクチンの量産体制が整いつつある。厚生労働省はワクチン生産体制の緊急整備事業として、国産ワクチンの開発を手がける4社と外国製ワクチンの量産にかかわる2社に助成金を交付する。

国産ワクチンを手がけるのは塩野義製薬<4507>、アンジェス<4563>、KMバイオロジクス(熊本市)、第一三共<4568>の4社で、合計の助成金額(1社は非公表)は400億円近くに達する。

外国製のワクチンの量産に取り組むのは武田薬品工業<4502>とアストラゼネカ(大阪市)の2社で、両社合わせた供給能力は3億7000万回分にもなる。

助成金を獲得した各社は、どのような戦略を練っているのだろうか。

塩野義、2021年末までに3000万人分を生産

塩野義製薬は2019年に子会社化したUMNファーマ(秋田市)が開発中の遺伝子組み換えたんぱくワクチンを、2021年末までに3000万人分以上生産する計画で、2020年7月に取得した経済産業省の補助金150億円と、今回の厚労省助成金約223億円を合わせて生産体制の構築、増強に取り組む。

同ワクチンは共同研究先である国立感染症研究所で、たんぱく抗原候補などの試験を実施しており、2020年内に臨床試験を始める予定。

アンジェスは開発中の環状DNA(プラスミド)を用いたワクチンの大量生産について厚労省から約93億8000万円の助成を受ける。早期に大量生産体制を整えるとしているが、量産の規模などの詳細については明らかにしていない。

KMバイオロジクスは2018年に明治ホールディングス<2269>の傘下に入った企業。感染力をなくしたウイルス粒子などから作る不活化ワクチンの開発を手がけており、厚労省から60億8800万円の助成金を得て、原液製造設備の改造や精製設備などの整備、原材料保管、品質管理設備の新設などに取り組む。

第一三共は開発中のmRNAワクチンの生産設備を、子会社の第一三共バイオテック(埼玉県北本市)の工場内に整備する。助成金額や生産規模については明らかにしていない。