新型コロナウイルスの感染症拡大に伴い、日本企業の海外子会社が経営破綻するケースや、海外子会社や事業の売却を余儀なくされるケースが目立ち始めてきた。 

良品計画<7453>の米国子会社MUJI USA(ニューヨーク市)は2020年7月10日に、米国連邦倒産法第11章に基づく再生手続きをデラウェア州連邦破産裁判所に申請した。MUJI USAは高い賃料など高コスト構造のために継続的に損失が発生していたところに、新型コロナウイルス感染症拡大による営業停止などで採算が急速に悪化したことから再生手続の申請に踏み切った。 

これに先立つ7月3日には、ペッパーフードサービス<3053>の米国子会社Kuni’s Corporation(デラウェア州)が、米国連邦倒産法第7章に基づく破産を申請した。新型コロナウイルスの影響で全店休業し、営業再開のめどが立たないことなどから破産を申請した。 

さらに東京製綱<5981>は6月26日に、タイヤ補強材のスチールコードを製造する東京製綱(常州)有限公司(江蘇省)を、不動産開発などを手がける中国の大連光伸企業集団有限公司(遼寧省)に売却すると発表した。新型コロナウイルスの影響で工場の稼働を停止しており、安定操業再開の見通しが立たないことから、現地での事業継続を断念した。 

東京商工リサーチによると、2020年2月以降に新型コロナウイルスの影響で経営破綻した日本企業は300社を超え、さらに増加する傾向にあるという。今後は国内企業の経営破綻と並んで海外子会社の倒産や売却の件数も増えていきそうだ。 

米国子会社は3期連続の赤字 

MUJI USAは、2006 年に米国で無印良品事業を開始し、18 店舗を展開していたが、高コスト体質の是正に向けて賃料改定交渉などに取り組んでいた。そこに新型コロナウイルス感染症拡大が加わり、3月17日以降は全店で営業を停止していた。 

今後MUJI USAは不採算店の閉鎖、賃料の減額交渉などを進めたうえで、品揃えの見直しなどを進めていく予定。負債総額は6400万ドル(約68億円)で、このうち5300万ドル(約56億円)が良品計画に対する債務という。 

同社の発表資料によるとMUJI USAは3期連続の赤字に陥っており、直近の2020年2月期は売上高約110億1900万円、営業赤字約10億9600万円、経常赤字11億9600万円、当期赤字18億4700万円だった。 

良品計画の2020年8月期は売上高1745億円、営業損益20億円、経常損益29億円、当期損益39億円のいずれも赤字の見込みだ。