イオン<8267>がコロナ禍で苦境に陥っている。同社が2020年7月8日に発表した2021年2月期第1四半期決算で、営業損益が125億5200万円の赤字に転落したのをはじめ、経常損益も160億7200万円、当期損益も539億7300万円の赤字となった。 

外出自粛に伴ってGMS(総合スーパー)事業が振わなかったのに加え、国内外のモールや店舗で臨時休業や営業時間の短縮などを実施したことからデベロッパー事業や、サービス・専門店事業、総合金融事業などが影響を受け、大幅な赤字を余儀なくされた。 

2021年2月期通期の業績予想については、新型コロナウイルスの影響が当面続くとみて、営業利益は前年度と比べ50%強から70%強の減益となる500億円-1000億円、経常利益、当期利益は未定という4月に公表した見通しをそのまま据え置いた。 

2020年1-6月に適時開示された経営権の移転を伴うM&Aを見ると、上場企業が業績の悪化や財務体質の強化などを理由に子会社や事業を売却する案件が、過去10年間(1-6月)で最多となった。 

イオンも2020年4月に、業績が低迷していた結婚相手紹介サービスを手がける子会社のツヴァイを売却しており、新型コロナウイルスの感染拡大状況によっては、ツヴァイに次ぐ売却案が浮上してくる可能性もありそうだ。 

ツヴァイの第2弾も 

イオンの2021年2月期第1四半期の売上高は2兆762億7800万円で、前年同期比1.9%減少した。部門別ではGMS事業が同6.4%減の7061億8500万円、デベロッパー事業が同31.6%減の633億7000万円、総合金融事業が同4.5%減の1101億400万円、サービス・専門店事業が27.1%減の1332億8900万円といった状況。 

食品や日用品、衛生用品を扱うSM(スーパーマーケット)事業やヘルス&ウエルネス事業は好調で、いずれも増収増益を達成したものの、主力のGMS事業などの落ち込みをカバーできなかった。 

利益については売り上げの減少に伴ってGMS事業で329億6800万円の営業赤字に、サービス・専門店事業で119億1200万円の営業赤字に陥ったことなどから、営業損益、経常損益ともに100億円を超える赤字となった。さらに新型コロナウイルス感染症対応による損失として、298億9300万円の特別損失を計上したことから、当期赤字が大きく膨らみ、500億円を突破した。 

2013年に子会社化したダイエーの営業損益については、GMSが前期並みにとどまり、SMは26億円の増益となった。 

イオンでは営業再開に伴い業績は回復基調にあるとしており、通期の売上高は前年度比7%-2.4%減の8兆円-8兆4000億円を見込む。予想通り8兆円台の売り上げが達成できれば、利益の見通しは明るくなる。 

ただ7月9日に東京都で新型コロナウイルスの感染者数が200人を超え、これまでの最多となるなど、感染症第2波の懸念が広がってきており、予断を許さない状況にある。ツヴァイの第2弾はないとは言い切れないだろう。

【イオンの業績推移】単位:億円

  2017年2月期 2018年2月期 2019年2月期 2020年2月期 2021年2月期
 第1四半期
売上高 82101.45 83900.12 85182.15 86042.07 20762.78
営業損益 1847.39 2102.73 2122.56 2155.3 △125.52
経常損益 1873.51 2137.72 2151.17 2058.28 △160.72
当期損益 112.55 245.22 236.37 268.38 △539.73

文:M&A Online編集部