新日本建物<8893>は2020年7月17日、非連結子会社でホテル運営や不動産関連ビジネスなどを手がけるNAP(東京都新宿区)を通じて、ファーストキャビン(東京都千代田区。破産管財人・上中綾子弁護士)が保有する高級カプセルホテル「ファーストキャビン」のフランチャイズ事業と運営受託事業を取得したと発表した。取得価額、取得日はいずれも非公表。

破産後も営業を続けている「ファーストキャビン赤坂」(同社ホームページより)

コロナ禍で苦戦するカプセルホテル業界

ファーストキャビンといえば今年4月末、東京地裁に自己破産を申請。帝国データバンクによると、負債は約37億円。カプセルホテルは新型コロナウイルス感染症拡大を受けての緊急事態宣言解除後も客足が戻らず、一般のホテルよりも厳しい状況に置かれたままだ。理由は二つある。

一つはカプセルホテルが、シティホテルやビジネスホテルの予約ができなかった宿泊客を吸収していたこと。新型コロナの世界的な流行により外国人旅行者や出張客が消えたことで一般ホテルの空室が増え、宿泊料金も値下がりしている。その結果、カプセルホテルに客が回らなくなった。

もう一つは、今も続くコロナ感染の拡大だ。カプセルホテルは完全な個室ではなく、トイレやシャワーなど共用部分が多い。そのため感染リスクへの懸念が少なくなく、宿泊客が利用に二の足を踏んでいる。

では、なぜ新日本建物が経営破綻したファーストキャビンの事業を引き継いだのか。発表によれば「当社の有する物件仕入れ力とファーストキャビン社の有する知的財産権・フランチャイザーとしての運営ノウハウを融合することにより、新たな収益物件の開発・販売の機会拡大が見込まれる」としている。