日本創発グループ<7814>がコロナ禍の中、M&Aに対する積極姿勢を堅持している。    

同社は2020年7月3日に、コンピューターグラフィックスを使用した映像の企画制作を手がけるアエックス(大阪市)の株式を追加取得し子会社化すると発表した。10日付で16.67%の持ち株比率を79.17%に引き上げる。

これに先立つ2020年1月には印刷・広告制作のAPホールディングス(浜松市)の子会社化を発表したほか、2019年に3件、2018年に2件、2017年に7件、2016年に4件と、この5年間で適時開示したM&A件数は18件に上る。

5月14日に発表した2020年12月期第1四半期決算では、新型コロナウイルスの影響を理由に、2020年12月期の業績予想を未定に修正したものの、同時に商材やサービスを増強する手段としてM&Aを積極的に活用することを明記した。

2020年1-6月のM&A件数(適時開示ベース)は前年同期を11件上回る406件で、1-6月としては2009年(439件)以来11年ぶりの高い水準となっており、日本創発グループと同様に、コロナ禍の中でも積極策をとる企業が少なくないことが分かる。この時期の積極派と慎重派の差がコロナ後の企業業績の明暗を分けることになるかもしれない。

試されるM&A効果

子会社化するアエックスは大手企業や地方自治体など向けにコンピューターグラフィックスを使用した映像の企画制作を手がけている。

日本創発グループは一般情報用紙への印刷にとどまらず、特殊素材や立体物への印刷、ノベルティ・フィギュア、3D(三次元)プリンター造形、デジタルコンテンツなどの展開に力を入れている。

2020年4月にアエックスの株式の16.67%を取得していたが、アエックスの財務体質の強化や事業拡大の加速を目的に子会社化に踏み切った。これを機に両社の商品構成を強化し、売り上げアップを目指す計画だ。

日本創発グループの2020年12月期第1四半期は、売上高137億5200万円(前年同期比0.3%減)、営業利益7億3200万円(同12.9%減)、経常利益8億7700万円(同10.4%減)、四半期利益5億2100万円(同14.5%減)の減収減益決算となった。

定期出版物が安定しているのをはじめ、通販サイトの構築やデジタル販売ツールなどに動きがあったものの、イベント関連の販促ツールの需要減少などが響いた。

2月に公表していた通期の業績予想については、新型コロナウイルスの影響を理由に取り下げているが、APホールディングスとアエックスの子会社化に伴うプラス効果が見込めることもあり、どのような数字になるのか注目される。

M&A積極策の効果がさっそく試されることになりそうだ。

文:M&A Online編集部