赤字転落の「牛丼」大手3社 回復には明暗が

alt
今期黒字確保を見込むゼンショーHDのすき家(東京・京橋)

ゼンショーホールディングス(HD)<7550>、吉野家ホールディングス(HD)<9861>、松屋フーズホールディングス(HD)<9887>の牛丼大手3社の第1 四半期決算が出そろい、3社ともに営業損益、経常損益、当期損益がいずれも赤字に陥った。 

新型コロナウイルスの感染症拡大防止のため店舗の休業や営業時間の短縮などを行った結果、売上高が減少し、これに伴い原価率が上昇するとともに減損損失などが発生したことなどから減収減益を余儀なくされた。 

各社とも事業を多角化しており、業績は牛丼だけの数字ではないものの、国民食とも言われる牛丼の不振は衝撃が大きい。3社はいつ立ち直るのだろうか。 

新商品、キャンペーンの効果は限定的

ゼンショーHDの牛丼チェーン、すき家ではケールレタス牛丼やシーザーレタス牛丼などを投入し、商品力の強化に取り組んだほか、なか卯についても新商品や季節限定商品の投入、テイクアウト商品の充実などに取り組んだ。 

しかし、新型コロナウイルスの影響を跳ね返すことができず、2021年3月期第1四半期の牛丼事業の既存店売上高は前年同期比14.1%減と2ケタの減収となった。 

ジョリーパスタなどのレストラン事業、はま寿司などのファストフード事業なども同様の傾向で、2021年3月期第1四半期全体の売上高は前年同期比16.3%の減収となり、営業損益、経常損益、当期損益はいずれも60億円を超える大幅な赤字に転落した。 

 吉野家HDは牛丼を手がける吉野家が「牛丼テイクアウト15%オフキャンペーン」の実施や「テイクアウト限定ファミリーセット」の販売などの対策を講じた結果、既存店の売り上げは前年同期比4.6%減と、厳しいながらも落ち込みを小幅に抑えた。 

ただ損益の方は、テイクアウト用包装材の増加や新型コロナウイルス感染対策費などがかさみ、セグメント損失は3億円を上回った。 

ショッピングセンター内の出店が多い、はなまる(うどん)や、京樽(寿司)の状況はさらに厳しく、2021年2月期第1四半期全体では売上高は20%を超える減収となり、営業損益、経常損益、当期損益はいずれも40億円を超える赤字に陥った。

松屋フーズHDも新型コロナウイルス感染症拡大に伴うテイクアウトやキャッシュレス決済などのニーズの高まりに合わせ、弁当WEB予約サイトでの「20%還元キャンペーン」や「Uber Eats・出前館送料無料キャンペーン」「PayPay支払20%還元キャンペーン」などを実施した。 

それでも減収は避けられず、2021年3月期第1四半期の売上高は前年同期比17.2%減の211億5000万円にとどまった。売り上げの減少に伴い原価率が上昇したため、営業損失、経常損失は25億円を突破し、当期損失も18億円強に達した。

【牛丼3社の第1四半期の業績】単位:億円、吉野家HDは2021年2月期第1四半期、ゼンショーHD、松屋フーズHDは2021年3月期第1四半期、△はマイナス、HDはホールディングス、()内は前年同期比

  ゼンショーHD 吉野家HD 松屋フーズHD
売上高  1283.73 (△16.3%) 396.81 (△24.8%) 211.5 (△17.2%)
営業損益 △79.70 △49.55 △26.04
経常損益 △81.35 △42.78 △25.49
当期損益 △63.82 △40.87 △18.29

NEXT STORY

緊急事態宣言後の飲食チェーン、勝者が実施している秘策は?

緊急事態宣言後の飲食チェーン、勝者が実施している秘策は?

2020/06/26

緊急事態宣言が解除され、県をまたいでの移動も緩和されました。一部観光地やショッピング街に人が戻り始め、リベンジ消費が始まろうとしています。2月から冷え込み始めた飲食店に、遅い春がやってきました。売上の戻りが早い業態にはどんな特徴が?

関連のM&Aニュース