2022年のM&A件数は前年比8.2%増の949件と前年(877件)に記録したリーマンショック後の最多を大幅に更新した。海外案件は落ち込んだが、国内案件が高水準で推移した。年間金額は6兆5612億円で、こちらは2015年以来の低水準だった。
武田薬品工業は2019年に6兆2000億円もの巨費を投じて買収したアイルランドの製薬大手シャイアー以来の大型M&Aに踏み切る。財務体質の改善よりも新薬開発を重視した。どんな新薬なのか。
Chordia Therapeuticsは、京都大学発のがん領域に特化した研究開発型バイオベンチャー。武田薬品工業が研究体制を再編するのに伴い、6人の元同社研究者によって2017年10月に設立。設立と同時に第三者割当て増資に成功している。
M&A Onlineが今回取り上げるのは「武田薬品M&A戦略 失敗の検証」(原雄次郎著、さくら舎刊)。大型M&Aを繰り返し、世界トップ10のメガファーマ入りを果たした武田だが、異常なグローバル化を進めた結果、屋台骨を揺るがせかねない危機にあるという。
アイルランドの製薬会社シャイアーの買収で膨らんだ借入金の返済のために非中核事業の売却を進めてきた武田薬品工業が、中核事業と位置付ける、がん領域で企業買収を加速している。
2021年のヘルスケア業界におけるM&Aでの取引金額トップは帝人が武田薬品から4製品の製造販売承認を取得した案件、2位は新薬開発のEPSHDがMBOで株式を非公開化した案件、3位はMBKパートナーズが介護のツクイHDのTOBを実施した案件。
武田薬品工業は2021年12月16日に、米国の製薬会社ノババックスが開発中の新型コロナウイルスワクチンの製造販売承認を厚生労働省に申請した。ファイザーやモデルナなどの他のワクチンとどのように違うのだろうか。
3Hクリニカルトライアルは、同社が運営する治験情報サイト「生活向上WEB」で日本の製薬会社が手がける国産の新型コロナワクチンの治験参加者を募集したところ、希望者が1万4000人を超えたと発表した。
目薬最大手のロート製薬が痔の治療薬「ボラギノール」を製造する天藤製薬の株式67.19%を取得して子会社化すると発表した。買収金額は非公開だが、90億円程度とみられる。目薬メーカーが目をつけた天藤製薬の歴史は200年を超える。そのルーツは?
ロート製薬が、およそ1年半ぶりにM&Aに乗り出した。痔の治療薬を手がける天藤製薬を子会社化するもので、一般用医薬品事業領域の拡大を掲げる2030年ビジョン実現の一環だ。今後は他の事業領域でのM&Aもありそうだ。