ヤマダ電機<9831>の傘下に入り経営再建中の大塚家具<8186>が、家具やインテリアのサブスクリプション(サブスク=定額制)に乗り出した。 

新型コロナウイルスの影響で外出の自粛やテレワークの拡大などで自宅で過ごす時間が増え、家の掃除や模様替えなどのニーズが高まっていることに対応した取り組みで、ソファやダイニングセットなどの上質な家具を、負担の少ない定額料⾦で所有できるようにする。 

すでに同社ではテレワークの環境づくりを支援するSOHO GALLERYを全国5店舗に設置しており、新型コロナウイルス関連需要の取り込みには積極的。上質家具のサブスクは苦境に陥っている大塚家具を救うことはできるだろうか。

4期連続の赤字決算 

大塚家具は2016年12月期に45億6700万円の最終赤字に陥り、その後も業績は回復せず2020年4月期(決算期変更に伴う16カ月決算)まで4期連続の当期赤字となっている。2019年12月には経営建て直しのため、家電量販店のヤマダ電機の子会社となり、現在は家具と家電の相互販売などに取り組み、新たな顧客開拓を進めている。 

今回のサブスクもこうした経営再建の一環で、家具インテリアのサブスクサービス「airRoom」を運営するElaly(東京都中央区)と提携して実施する。 

サブスクの対象となるのは本革仕様のソファ(月額5060円)や、楕円形のダイニングテーブル(同3520円)、ベッドマットレス(同2970円)などで、当初は約70種類からスタートし、ニーズに応じて商品数を増やしていく計画。 

同社では「家具をそろえたいが、仮住まいなので高価なものに⼿を出しづらい」「質の良い家具を使ってみたいが、まだ早い気がする」という単身赴任者や若い世代にサブスクをアピールしていくという。 

新型コロナウイルスの影響で業績を下方修正する上場企業が相次いでいるが、一方で食品や日用品、家具、OA機器などの需要は拡大しており、業績が好調な企業も少なくない。 

ホームセンターを運営するコーナン商事<7516>は、家具をはじめオフィス家具やDIY用品などの売り上げが伸びており、2021年2月期第1四半期は営業、経常、当期の利益はいずれも70%ほどの高い伸び率を記録し、第1四半期としては過去最高を更新した。

家具やインテリアなどを手がけるニトリホールディングス<9843>でも、収納整理用品やホームオフィス家具などの売り上げが伸びており、2021年2月期第1四半期は営業、経常、当期の利益はいずれも20%以上の増益となった。 

これら企業は手ごろな価格の商品を提供することで、業績を伸ばしており、上質だが高額な商品を品ぞろえする大塚家具が苦戦を強いられてきた経緯がある。 

負担の少ない定額料金で上質の家具を所有できるサブスクで経営の建て直しを目指す大塚家具に、新型コロナウイルスはどれぼどの追い風となるだろうか。

【大塚家具の業績推移】単位:億円、2020年4月期は決算期変更に伴う16カ月決算

  2015年12月期 2016年12月期 2017年12月期 2018年12月期 2020年4月期
売上高 580.04 463.07 410.79 373.88 348.55
営業損益 4.37 △45.97 △51.36 △51.68 △76.11
経常損益 6.33 △44.36 △51.44 △53.13 △77.54
当期損益 3.59 △45.67 △72.59 △32.4 △77.18

文:M&A Online編集部