ドトールコーヒーなどのカフェを展開するドトール・日レスホールディングス<3087>が、ドトールコーヒーと日本レストランシステムが経営統合した2007年以来、初の赤字に陥る。 

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で売り上げが減少し採算が悪化するとともに特別損失も発生し、2021年2月期は営業赤字1億9300万円、経常赤字5900万円、当期赤字41億4700万円となる見込み。 

同社ではコロナ対策としてテイクアウト商品や店頭商品の拡充、卸売り事業の拡大などに取り組むとともに、M&Aを積極化しグループ全体の価値を高めていく計画。 

同社が適時開示したM&Aは2009年のパン製造業のサンメリーの子会社化と、2010年のユニマットライフからの事業買収の2件のみ。コロナ禍の中、10年ぶりとなるM&Aが実現すれば苦境にあえぐ外食企業の生き残り策の一つのモデルとなるかもしれない。

売り上げは2割減

ドトール・日レスは2020年7月13日に2021年2月期の第1四半期決算を発表し、それまで未定としていた2021年2月期の業績予想を開示した。それによると売上高は1050億2100万円で、前年度比19.9%減の減収となる。 

減収による採算の悪化に加え、人件費や家賃などが収益を圧迫し、さらに第1四半期にコロナ関連の特別損失18億6600万円を計上したことから最終赤字が40億円を突破することになった。 

同社では2021年2月期第1四半期決算短信の中で「M&Aなどの機会を逃さず、積極的に取り組むことでグループ全体の企業価値拡大を図っていく」としており、4月に発表した2020年2月期の決算時にはなかった文言を盛り込みM&Aに前向きな姿勢を示した。 

2020年1-6月に外食・フードサービス業界で発表されたM&Aは11件で、1件のMBO(経営陣による買収)のほかはすべて外食企業による外食店などの買収案件であった。コロナ禍の中でも事業や業容の拡大に取り組む外食企業が少なくないことが分かる。 

ドトール・日レスは1962年創業のドトールコーヒーと、1973年創業の日本レストランシステムが2007年10月に経営統合し発足した。統合初年度の業績は売上高が1013億1400万円、営業利益100億400万円、経常利益104億3400万円、当期利益54億5300万円だった。 

その後、収益の増減を経て、2020年2月期は売上高1311億9300万円(前年度比1.5%増)、営業利益102億8900万円(同1.4%増)、経常利益102億8700万円(同0.2%増)、当期利益60億5800万円(同2.4%増)と増収増益を達成したが、新型コロナウイルスの影響で2021年2月期に同社として初めて赤字に転落する見通しとなった。 

ドトール・日レスはM&Aによって赤字に陥った業績を立て直すことができるだろうか。外食企業だけでなく、コロナ禍に苦しむ多くの企業の関心を集めそうだ。

文:M&A Online編集部