仏ルノーが過去最高の純損失を記録した。2020年7月30日に発表した1−6月期の純損益は72億9000万ユーロ(約9000億円)の巨額赤字に。新型コロナウイルス感染症による自動車販売の落ち込みに加え、子会社である日産自動車<7201>の業績不振が足を引っ張った。

巨額赤字の3分の2は日産が原因

ルノーが計上した巨額赤字の約3分の2を占める48億ユーロ(約5950億円)が、日産の赤字によるもの。つまり日産に出資していなければ、ルノーの赤字は24億9000ユーロ(約3080億円)で済んでいた計算になる。

新型コロナの感染拡大は収まるどころか勢いを増し、少なくとも年内は現在の苦境が続く可能性が高い。そうなればルノーの2020年12月期決算は150億ユーロ(約1兆8000億円)もの巨額赤字に陥る可能性がある。日産に比べて規模が小さいルノーにとっては経営破綻レベルの純損失だ。

すでにルノー株は2020年1月時点から47%も下落した。同社の筆頭株主であるフランス政府は、6月に50億ユーロ(約6200億円)の融資枠を保証した。ルノーの経営危機を回避するための措置だが、日産の赤字で融資枠分の支援が吹っ飛んだ格好だ。

カルロス・ゴーン前会長時代に日産との経営統合を執拗に求めてきたフランス政府だが、こうなっては共倒れ回避のために日産を切り離すよう方向転換することになるだろう。事実、フランス政府から送り込まれ、日産との経営統合推進の急先鋒だったジャン・ドミニク・スナール会長も、今年に入ってトーンダウンしている。「日産への配慮」とも言われるが、果たしてそうか。