米アップルが2020年中にパーソナルコンピューター「Mac」シリーズのCPU(中央演算処理装置)を、現在の米インテル製から自社開発したARMアーキテクチャーの「Apple Silicon」へ切り替える。仕事で「Mac」シリーズを使用しているユーザーにとって最大の関心事は、ビジネス環境で圧倒的なシェアを持つ米マイクロソフトのウィンドウズが次期「Mac」シリーズでも利用できるかどうかだ。

アップルは1984年に大型コンピューターCPUの流れをくむ米モトローラ製CPUでパソコンに参入し、1994年に米IBMなどと共同開発した「パワーPC」を採用したが、2006年にパソコンでは事実上の世界標準になっていたインテル製CPUに変更。「Mac」シリーズでウィンドウズを利用できるようになり、個人やデザイナー、医療機関、教育機関など一部に限られていた「Mac」シリーズが、企業でも採用されることになる。

実はARMアーキテクチャーのCPUを採用するパソコンは、次期「Mac」シリーズが初めてではない。2019年11月に米国で、2020年1月に日本で発売された軽量モバイルパソコンの「Surface Pro X」がそれ。開発したのはウィンドウズの本家本元であり、インテルとの強固なWintel(ウィンテル)連合を形成して世界パソコン市場で圧倒的なシェアを持つマイクロソフトだ。

本家マイクロソフトのARM機「Surface Pro X」でも、ウィンドウズアプリは完全に動かない(同社ホームページより)

CPUにはARMアーキテクチャーの「Microsoft SQ1」を搭載。アップルが開発中の「Apple Silicon」同様、マイクロソフトが独自開発したCPUだ。ウィンテル連合の当事者でもあるマイクロソフトがARMに手を出したわけだが、厳しい現状に直面している。