食品の製造や販売を行う中小企業をグループ化しているヨシムラ・フード・ホールディングス(HD)<2884>が強気だ。同社の2021年2月期第1四半期(2020年3-5月)の最終利益は前年同期比99.7%減のほぼ0に落ち込んだが、通期の最終利益見通しは前年度比約2.3倍の4億2000万円を掲げる。

新型コロナウイルスの影響で海外子会社の業績が低迷したものの、国内では家庭での食品消費が増加しているため、2020年4月に公表した通期の業績予想を据え置いたのだ。

同社は2016年以降に適時開示したM&A案件が13件に達する。新型コロナウイルスの感染症拡大の終息が見えない中、強気でいられるのには実はこのM&Aの存在もあるのだ。

M&Aで業績上積み

ヨシムラ・フードHDの2021年2月期第1四半期の売上高は、前年同期比10.4%増の77億5700万円、営業利益は同0.2%減の2億1500万円、経常利益は同59.0%減の9400万円となった。

減益の要因は新型コロナウイルスの影響で、海外のホテルや飲食店の稼働率が下がったため営業減益となったのに加え、為替変動の影響による差損が発生したことなどから大幅な経常減益、最終減益となった。

一方、売上高は2019年11月に発表した業務用厨房機器の製造・輸入販売を手がけるシンガポールのNKR CONTINENTAL(売上高25億5600万円)の子会社化や、2020年3月に発表したわかめ・ひじき・めかぶ製品の加工・販売を手がける香り芽本舗(島根県出雲市、売上高8億2900万円)の子会社化などが寄与し、2ケタの増収を達成した。

同社はM&Aによる事業拡大を経営戦略に据えており、新型コロナウイルス感染症の拡大期にあってもこの方針は変更していない。M&Aの対象としているのは食品製造や食品卸などの売上高3億円以上の黒字企業で、第2四半期中のM&Aについても2020年2月期決算短信の中で、その可能性を示唆している。

2021年2月期通期については売上高が前年度比3.4%増の309億円、営業利益は同12.6%増の9億1000万円、経常利益は同24.6%増の9億2200万円の見込みだ。

この計画にM&Aは見込んでおらず、M&Aが実現すれば上振れする可能性は高い。強気の背景にはこれまで積み重ねてきたM&Aの実績と、これによって業績を上積みしてきた自信にあると言ってよさそうだ。

【ヨシムラ・フード・ホールディングスの業績推移】単位:億円、2021年2月期は見込み

  2018年2月期 2019年2月期 2020年2月期 2021年2月期
売上高 200.35 237.16 298.75 309
営業利益 4.94 3.54 8.08 9.1
経常利益 5.54 4.2 7.4 9.22
最終利益 4.19 2.63 1.77 4.2

文:M&A Online編集部