東芝の財務分析

■売り上げ/損益推移

 1999年から2016年まで18年間の推移を見ると、02年、09年、16年に当期純利益が大幅にマイナスとなっている。02年3月期は主に電子デバイス事業(半導体、液晶ディスプレー、ブラウン管、特殊金属材料、電池など)の業績が著しく悪化したことと、それに伴い事業改善費用を計上したことが要因である。同年3月期の電子デバイス事業の売上は9051億円(前期比△31%)、営業利益は△1762億円(前期比△2927億円)を計上しており、特に半導体製品の営業利益は△1220億円(前期比△2280億円)と落ち込んでいる。半導体メモリ事業の構造改革の一環として、01年12月にプレスリリースにて汎用DRAMの製造販売の終息し、関連する子会社や設備の売却、人員整理などを行うことを発表し、これに伴う事業改善費用を02年3月期に1112億円計上している。構造改革が功を奏し、電子デバイス事業は03年3月期から黒字化している。しかし、16年3月期は売上・利益共に前年比減少している。

■電子デバイス事業

 09年3月期の業績悪化は、リーマンショックによる金融危機が世界的に広がったことにより景気が急速に悪化したことが要因である。下表のとおり、リーマンショック前の年度と比べるとどの事業部も売上が減少(電子デバイス部門が最も減少しており、前年比△24%)していることが分かる。

16年3月期の業績悪化についてはセグメント別に見ていく。

■売り上げ(リーマンショック)

 リーマンショックにおいても売り上げの減少がわずかであった社会インフラ事業は、15年3月期においては3つのセグメント(電力・社会インフラ、コミュニティ・ソリューション、ヘルスケア)に分割している。なお、ヘルスケア事業については、東芝メディカルシステムズの株式譲渡により16年3月期には廃止され、東芝メディカルシステムズ以外のサービスについては他事業に移管されている。16年3月期決算短信を確認すると、16年3月期にヘルスケア事業が廃止されていることが分かる。

■セグメント別売り上げ

■セグメント別売り上げ(15年、16年)

(2016年3月期決算短信)

15年3月期と16年3月期のセグメント別利益を比較してみる。

■セグメント別利益(15年、16年)

 主要セグメントはいずれも利益が大幅に減少している。これはいずれも減損損失を計上したことが主な要因である。特に、電力・社会インフラ事業は、売り上げが15年に比べ16年は増加しているにも関わらず、利益が大幅に減少している。

 これは、東芝の不正会計の一端を担った原子力事業の減損テストを行った結果、2600億円の損失を計上したことが主な要因である。06年10月にウェスチングハウス社の株式を4950億円、11年9月に同株式20%を1250億円にて買収し、超過収益力を表すのれんは3500億円ほど計上されている。