M&Aで失墜からの復活なるか

 1875年、田中久重が電信機の開発を目的に東京・銀座に工場を創設。82年に2代目田中久重が芝浦に田中製造所を設立し、93年に芝浦製作所に社名を変更した。一方、藤岡市助が国産電球の製造を目的に90年に白熱舎を設立し、99年に東京電気に社名を変更した。

 提携関係にあった芝浦製作所と東京電気は(共に三井財閥の系列)、技術の進歩に伴い重電と軽電を組み合わせた製品の需要が高まったことから、1939年に合併し「東京芝浦電気」を発足。84年、新社屋完成とともに、略称であった「東芝」に社名を変更した(ちなみに英文では78年からTOSHIBA CORPORATIONと表記していた)。

不正会計による影響

 2015年、歴代社長の指示の下、利益の水増しを行ってきたことが発覚した。15年4月にインフラ関連の工事進行基準に関わる会計処理の適正性を調査するために社外専門家を含む特別調査委員会が発足。その調査の過程で、追加調査を必要とする事項が工事進行基準以外でも発覚した(損失引当金の計上の時期および金額の妥当性、経費計上の時期の妥当性、在庫の評価の妥当性など)。

 これにより、内部統制の重大な不備が判明し、過年度決算の修正が必要となったため、有価証券報告書を期限内に提出することができず、期限の延長を行った。一連の不正会計により、以下のような影響を及ぼしている。

・任務懈怠(けたい)責任を理由に、東芝が元役員5名に対し総額32億円の損害賠償訴訟を提起した・金融庁による課徴金納付命令が決定され、73億7350万円を国庫に納付することになった
・不正会計を見抜けなかった責任を理由に、会計監査人を新日本有限責任監査法人からPwCあらた監査法人に変更した
・主に家電事業、パソコン事業、半導体事業を対象にリストラを行い、1万4000人強を削減した
・特設注意市場銘柄※に指定された

※特設注意市場銘柄とは
有価証券上場規程第501条にて規定されており、上場廃止には至らなかったが内部管理体制等について改善の必要性が高いと取引所が認めた銘柄であり(同条1項)、特設注意市場銘柄に指定されて1年経過後速やかに内部管理体制の状況等について記載した「内部管理体制確認書」の提出が求められる(2項)。取引所による内部管理体制確認書に基づく内部管理体制の審査が行われ(3項)、問題ないと判断された場合は指定が解除される(4項)。しかし取引所が問題ありと判断した場合は、特設注意市場銘柄に指定されて1年6カ月経過後速やかに内部管理体制確認書を再提出し(5項)、問題ないと判断された場合は指定が解除されるが(6項、7項)、再提出にも関わらず取引所が問題ありと判断した場合は上場廃止となる(同規程601条1項11号)。