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【日立製作所】危機から一転好調へ。選択と集中にM&Aを活用

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画像はイメージです。

リーマン・ショックを機に業態転換を迫られた
日本最大の総合電機メーカー

 日立製作所<6501>(以下、日立)は、1910年(明治 43年)、久原鉱業所日立鉱山付属の修理工場として創業した総合電機メーカーである。現在は、電力やエレベーター、エスカレーターなどの昇降機、建設機械、鉄道などのインフラから情報通信、ビッグデータなどのIT(情報技術)、電子部品、家電など幅広い事業を手掛けており、2015年3月期の連結売上高は約9兆7千億円、当期純利益は約2400億円、グループ従業員は約33万人の巨大企業グループである。

 90年のバブル経済崩壊以降、同社の業績は低迷が続く。99年3月期には半導体メモリの価格の下落、エアコン販売の業績不振、情報・エレクトロニクス部門と家庭電器および電力・産業システム部門の人員整理、資産売却に伴う評価損などにより、最終損益は3000億円を超える大幅な赤字を計上した。そして、00年代に入ると業績は一層悪化した。02年3月期に再び大幅な赤字に転落、そのまま回復の兆しが見られないままリーマン・ショック後の09年3月期には、国内製造業で過去最大の8000億円近い最終赤字を計上した。

 長期に渡る業績低迷を受け、同社が取った戦略は選択と集中だった。技術的な優位性を生かすため、情報通信と社会インフラを中心としたビジネスモデルに転換し、市場において強みのない事業の撤退を進めた。

グループ会社の再編により
回復した業績

 同社がまず行ったのは、グループ企業の完全子会社化による日立本体の増強であり、09年10月に立て続けにグループ上場子会社を完全子会社化した。日立は伝統的に独立採算制をとってきたため、グループ内での事業が重複し非効率であった。また、事業の適正配置が長年の経営課題になっており、上場企業の完全子会社化は日立以外の株主に配当として利益が流出するのを防ぐ狙いもあった。

 こうして主要グループ会社40社のうち社会インフラ関連に近いグループ会社は日立本体に近づけ、そうではない子会社は遠ざけるという戦略的再編が行われた。09年には19社あった上場子会社を、12年までに11社に絞った。
子会社の再編が奏功し、11年3月期の当期純利益は2388億円と90年度の2301億円を上回り史上最高の利益計上となった。

 新興国向けを中心に建設機械部門、エレクトロニクス、自動車関連分野の需要の回復に伴い、高機能材料やオートモティブシステムの各部門などを中心に11部門が黒字化となった。半世紀余り続いたテレビ生産からの撤退を含め、事業構造改善費用、固定資産売却損などの営業外費用を引き続き計上したものの、税引前利益が前期比6.8倍の4322億円になった。加えて、最終利益は法人税等が前期の上場子会社5社の完全子会社化に伴い繰延税金資産の取り崩しがなくなったため、法人税等が減少したことも寄与した。

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