創業初月から月商500万円
30年で年商5000億企業への軌跡
ゼンショーホールディングス<7550>(以下、ゼンショー)は、代表取締役会長兼社長兼CEOの小川賢太郎氏が1982年に資本金500万円にて創業した弁当店が始まりである。創業年初月から月商500万円の売り上げを達成するなど、当時から商機を引き寄せることに優れた才能を発揮し、ゼンショーは30年ほどの間に年商5000億円を超える企業に成長した。
ここまでの成長は大きく二つのステージに分けることができる。第1のステージは82年から2000年までの12年間で、自力で「すき屋」を展開、東証第2部に上場した。第2のステージでは、ココスジャパンの買収をはじめ、数多くのM&Aを仕掛けた。15年3月31日現在、ゼンショーグループの店舗数は4,730店舗、パート、アルバイトを含めた従業員数は51,842名となり、日本を代表する外食企業となった。
■ゼンショーが行った主なM&A
年月 | 沿革と主なM&A |
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1982.6 | 神奈川県横浜市鶴見区に横浜工場併設の本社を設置 |
1982.11 | すき家(牛丼店)ビルイン1号店として、生麦駅前店(神奈川県横浜市鶴見区)を開店 |
1997.8 | 株式を店頭登録 |
2000.7 | スーパーマーケットを運営するカスミより、ファミリーレストランのココスジャパンの株式を約80億円にて買収 |
2001.5 | 焼き肉としゃぶしゃぶを提供する「ぎゅあん」を買収 |
2001.9 | 東京証券取引所市場第1部に上場 |
2002.12 | 業務提携を目的に、大和フーヅの株式31.6%を取得 |
2002.12 | 子会社のココスジャパンが、ビッグボーイジャパンを買収 |
2004.7 | ラーメンチェーン店を展開するヒサモト商事(売上高50億3200万円)の株式100%を買収 中華麺などの製造・販売業を営む横山食品(売上高9億6000万円)の株式100%を買収 |
2005.3 | 双日保有のなか卯の株式51.4%のうち33.01%を取得、その後、公開買い付け(TOB)を行い、株式26.99%を11億2400万円にて取得 |
2006.3 | 事業拡大を図るため、ココスジャパンが分割設立した宝島およびエルトリートジャパンの株式をそれぞれ50%取得 |
2006.4 | 100%子会社のユーディーフーズ(現・サンビシ)が、民事再生中のサンビシより食品事業・住宅事業を譲り受け |
2006.5 | 事業拡大を図るためZensho Americaを通じ、米国内におけるココスレストランとキャローズレストランの経営を行うCatalina Restaurant Groupを約100億円程度にて買収 ココスジャパンより、ビッグボーイジャパンの株式および河口食餐(中国・上海)の持ち分を取得 |
2007.2 | 青果専門店と生花店を展開するユナイテッドベジーズの株式30.7%を取得 |
2007.3 | サンデーサン(現・ジョリーパスタ)の株式51.8%を68億3700万円にて買収 |
2007.7 | すき家(牛丼店)の沖縄県出店(すき家880店舗目)による全47都道府県への出店達成 |
2008.8 | カッパ・クリエイトとの資本提携解消のため、カッパ・クリエイトの自己株式立会外買い付けに応じ一部持ち分を売却(所有割合31.09%→11.93%に) |
2008.10 | 華屋与兵衛の株式54.91%を12億円にて買収 |
2009.10 | アートカフェのコーヒーショップ事業を約3億円程度にて譲り受け |
2010.3 | なか卯を21億3800万円で、大和フーヅを15億3200万円にて株式交換により完全子会社化 |
2011.6 | シカゴピザの全株式を約15億円にてリサ・パートナーズへ譲渡 |
2011.10 | 事業のグローバル展開のため持株会社体制に移行し、商号を「ゼンショーホールディングス」へ変更 |
2012.6 | 多聞フーヅの株式100%を買収 |
2012.6 | ZENSHO FOOD SINGAPOREの株式を取得 |
2012.11 | 公開買付けで、生鮮食品を取り扱うスーパーマーケットのマルヤ株式78.65%を約27億円にて取得 |
2013.5 | 連結子会社のZensho Americaを通じPOCINO FOODSの株式90.03%を取得、子会社化 |
2013.9 | ヤマトモ水産食品の株式100%を取得 |
2013.10 | 食品スーパーマーケットのマルエイの株式100%を約10億円にて買収 |
2013.11 | 栃木県の食品スーパー山口本店の営業権を約3億円にて譲り受け |
2014.1 | 老人介護事業を行う介護サービス輝(現・輝)の株式100%取得(数億円規模) |
2014.3 | アートカフェのすべての事業をゼンショー(現・すきや本部)に譲渡し、同社を清算 |
2014.3 | マルヤを日本リテールホールディングスを通じ、株式交換により完全子会社化 |
2014.6 | 地域に根差した店舗経営体制の確立のため、ゼンショー(現・すき家本部)を分割会社とし、北日本すき家、関東すき家、東京すき家、中部すき家、関西すき家、中四国すき家、九州すき家を承継会社とする新設分割を実施 |
2014.8 | 食品スーパー運営の尾張屋の株式100%を、子会社の日本リテールホールディングスが約26億円にて取得 |
2014.10 | ゼンショー(現・すき家本部)において、すき家事業への特化による事業強化・発展のため、「すき家」以外の事業(焼き肉事業、うどん事業、ラーメン事業、カフェ事業など)をエイ・ダイニング(連結子会社)へ吸収分割により承継。また、ゼンショーをすき家本部に社名変更 |
2015.3 | Catalina Restaurant Group(売上高1億7317万ドル)の全株式を全米でレストラン経営を行うFMP Management Group のグループ会社へ10ドルにて譲渡。Catalina Restaurant Groupは4439万ドルの赤字(3期連続の赤字)で、ゼンショーホールディングスは、146億円の特別損失を計上 |