menu
Social media

M&Aアーカイブス

M&Aアーカイブス

【日立物流】M&Aで「親離れ」加速 物流子会社を次々買収 佐川急便との統合も視野

Cover f2b746c5 24e4 4456 8e2f f3c0d8d4221a
画像はイメージです

 日立物流<9086>がM&Aを駆使してグローバルな総合物流会社へと変身を遂げている。日立製作所の物流子会社というのは、もはや過去の話。企業の物流業務を包括的に受託する3PL事業を伸ばし、大手企業の物流子会社を次々と買収しつつ、クロスボーダーのM&Aにも取り組む。2016年3月には佐川急便との資本業務提携を発表し、将来の経営統合も視野に入れる。実現すれば売り上げ規模で国内2位の物流グループが誕生することになる。

【企業概要】物流業務の包括受託サービス

 日立物流グループは、日立物流と連結子会社108社、持分法適用関連会社9社で構成され、顧客に対して、陸、海、空を網羅した総合的な物流サービスを提供している。1950年に日立製作所の輸送部門を請け負う物流子会社として創業、日立製作所の工場構内作業の一括受注、国内外における超重量物の輸送を引き受けるなどして業容を拡大した。また、物流情報システムの構築に早期に取り組み、企業の物流業務を包括的に受託するサービス(サード・パーティー・ロジスティクス 以下「3PL」という)を充実させ、日立グループ以外の顧客からの実績を拡大させている。

 2016年3月期の売上収益は6803億円。国内物流会社としては、日本郵便、日本郵船、日本通運、商船三井、ヤマトホールディングス、川崎汽船、SGホールディングスに次ぐ8位の売上高である。物流会社の中でも陸運・倉庫業者に絞ると5位の売上高である。

 日立物流のセグメントは、国内物流、国際物流、その他に分類され、2016年3月期の売上高では、国内物流4050億円、国際物流が2531億円、その他が221億円となっている。

 なお、2016年3月期の日立製作所からの運送、作業受託取引は83億円となっており、全体に占める割合は1.2%と大幅に低下している。

【経営陣】生え抜き人材が経営を支える

 日立物流は、経営監督機能と業務執行機能を分離する指名委員会等設置会社形態を採用している。執行役及び執行役会が業務執行を、取締役及び取締役会が経営監督機能を担う。

 代表執行役の中谷康夫氏は、1978年入社で取締役を兼任している。執行役専務の神宮司孝氏は79年入社で同じく取締役を兼任している。両名とも日立物流生え抜きの人材で日立物流を支えている。一方で、執行役専務の飯田氏をはじめ、執行役、取締役の一部は日立製作所出身者であり、日立製作所との関係性が伺える。

【株主構成】日立製作所、SGHDが3割弱保有

日立物流の上位株主
株主名称 保有株式数(千株) 持ち株比率(%)
日立製作所 33,472 29.95
SGホールディングス 32,350 28.94
日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口) 5,630 5.04
全国共済農業協同組合連合会 2,794 2.5
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 2,489 2.23
ジェーピーモルガンチェースバンク380684 1,907 1.71
日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口9) 1,736 1.55
日立物流社員持株会 1,445 1.29
CBNY GOVERNMENT OF NORWAY 1,321 1.18
ジェーピーモルガンチェースバンク385166 1,048 0.94
84,190 75.33
2016年9月末時点、四半期報告書に基づき作成

 日立製作所の物流子会社として設立され、1989年に東証二部に、1990年に東証一部に上場した後も、日立製作所の子会社として企業統治がなされていた。

 流れが大きく変わったのが2016年。2016年3月に日立物流は、SGホールディングス及びグループの佐川急便との資本業務提携契約を締結。この提携により、日立製作所が所有する日立物流の株式59.02%のうち29.01%をSGホールディングスに譲渡している。2016年9月末時点で第1位の株主は29.95%で変わらず日立製作所であるが、SGホールディングスが28.94%を所有し第2位の株主となった。現在、両社の持分法適用会社となっている。

 「" ロジスティクス事業 "と" デリバリー事業 "の融合」をテーマに掲げ、双方の3PL事業における強み、豊富なノウハウや顧客基盤、佐川急便の輸配送能力、日立物流のロジスティクス・テクノロジーを最大限に活用していく。これらにより、3PLとデリバリーがシームレスにつながる総合物流の提供が可能となり、「世界に挑戦する物流企業」として、企業価値の最大化を図ることのみならず、物流業界が担う社会的な使命に応えていけるとした。

 これにより両社を合算した売上規模ではヤマトホールディングスを抜き、首位の日本通運に続く2位グループが誕生することとなる。経営陣が統合に向けた意気込みがあると公言しており、今後、いつ具体的な取り組みが開始されるのか注目したい。

アーカイブス

関連のM&Aニュース

日立<6501>、米ビジスター社を買収し、画像診断分野を強化

日立工機<6581>、HKホールディングスによる公開買付けに賛同を表明

日立製作所<6501>、子会社の日立キャピタル<8586>を三菱UFJ系列2社へ1081億円で譲渡

日立製作所<6501>、子会社の日立物流をSGホールディングスへ875億円で譲渡

リョーサン<8140>、日立製作所<6501>のミリ波IC事業を譲受け

日本通運<9062>、情報資産管理事業会社を子会社化

日本通運<9062>、パナソニック ロジスティクスの株式の一部取得を発表。

日立製作所<6501>、英国ホライズン・ニュークリア・パワー社を買収。

日立製作所<6501>、ウエスタンデジタルへハードディスクドライブ事業を譲渡。

中小型ディスプレイ事業を統合

日立製作所<6501>、三菱電機<6503>、三菱重工業<7011>、水力発電システム事業を統合

日立物流<9086>によるバンテック<9382>の株式に対する公開買付が終了

日立物流<9086>、タイの物流会社の株式取得

日立製作所<6501>三菱電機<6503>三菱重工業<7011>、水力発電システム事業の統合に関して基本合意

日立物流<9086>、バンテックの普通株式及び新株予約権に対する公開買付を開始

日立物流<9086>、DICロジテックを子会社化

日立製作所<6501>三菱電機<6503>三菱重工業<7011>が水力発電システム事業の統合に向け合意

日立製作所<6501>、関連子会社5社の公開買付けが終了

NECエレクトロニクス<6723>とルネサス テクノロジが事業統合

日立<6501>、上場子会社5社株式のTOB開始

日立グループ事業再編

NEXT STORY

ベイカレント<6532> 減損テスト結果の開示

ベイカレント<6532> 減損テスト結果の開示

上場直後に社長が辞任したことで話題になったベイカレント・コンサルティング。のれんの減損テストの結果が開示されています。


注目の記事

Thumb e1b02e19 e880 4647 9b2e 9735a2922dd8

【リコー】「再成長」へM&A投資 2000億円

リコーが2018~19年度にM&Aに2000億円超を投資する方針を打ち出した。同社にとって大命題は「再成長」の一語に集約される。業績は10年近く一進一退が続き、伸びを欠いたままだ。リコー復権ののろしは上がるのか?

Thumb 88ffbc7d d8c1 4c46 a94a d5f6737c0e91
Thumb 5535fbd2 d91a 4fbd a0be 6bc68475be6d
Thumb 856a8cb3 bfab 4046 a298 284e67090c4c