リクルートホールディングス<6098>は言わずと知れた国内最大の人材系ビジネスの事業会社である。1988年のリクルート事件を乗り越え、2014年に東京証券取引所第一部に株式を上場した。国内企業のみならず海外企業も積極的にM&Aを行い、「グローバルNO.1」を目指す。同社のM&A戦略について検証する。

【企業概要】販促、求人メディア、人材派遣が主力

 同社は1960年「大学新聞広告社」として創業した。1963年に日本リクルートセンターに社名変更。1984年にリクルートに社名変更し、「とらばーゆ」「From A」などの人材系雑誌のみならず「AB-ROAD」「Car Sensor」など海外旅行や中古車販売の情報誌も創刊し順調に事業領域を拡大していった。

 そんな中、1988年に「リクルート事件」が勃発。リクルートコスモスの未公開株の贈賄で創業者を含めた関与者に2003年有罪判決が下された後、新体制の下で「誠意と努力で信頼創造」をスローガンに経営の立て直しを図る。

 その後2000年代に入り、国内のM&Aも積極的に行い業容を拡大した。2007年には人材派遣最大手スタッフサービスを買収し人材派遣業界トップに躍り出ると2009年以降は海外にも展開。2012年には7事業会社、3機能会社と統合すべく持ち株会社制を導入した。2014年には東証一部に上場した。上場以降も海外企業を中心に積極的に事業を買収し、国内にとどまらず「世界のリクルート」を目指す。

 同社の事業セグメントは大きく3つに分けることが出来る。販促メディアは「SUUMO」「ゼクシイ」「じゃらん」「HOT PEPPER」などのサービスブランドがあり、売上は全体の22%を占める(2016年3月期)。人材メディアは「リクナビ」「リクナビNEXT」「TOWN WORK」などがあり、売上は全体の23%。人材派遣は「リクルート スタッフィング」「スタッフサービス」などで構成され、売上は全体の56%を占めている。

【経営陣】峰岸社長、2012年に就任

 社長の峰岸真澄氏は1987年にリクルート入社。2009年に取締役就任。2012年から代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)。52歳。社外取締役として帝人会長の大八木成男氏、日本たばこ産業副社長の新貝康司氏を迎え入れ、コーポレートガバナンスを強化している。

【株主構成】印刷会社などと株式持ち合い

リクルートホールディングスの上位株主

氏名又は名称 所有株式数(千株) 持ち株比率(%)
凸版印刷 37,700 6.66
大日本印刷 35,700 6.31
電通 30,000 5.3
リクルートグループ社員持株会 23,031 4.07
エヌ・ティ・ティ・データ 15,500 2.74
JP MORGAN CHASE BANK 380055 14,040 2.48
日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口) 13,183 2.33
みずほ銀行 12,000 2.12
三井住友銀行 12,000 2.12
三井物産 12,000 2.12
三菱東京UFJ銀行 12,000 2.12
217,155 38.41

2016年3月末時点、有価証券報告書に基づき作成

筆頭株主は凸版印刷、僅差で大日本印刷、電通と取引先の大手事業会社が続く。リクルートも3社の株式を保有しており持ち合い関係にある。第4位は社員持株会。メガバンク3行も均等に株式を保有している。