ファーマライズホールディングス<2796>は東証1部に上場する調剤薬局チェーンだ。グループ全体で、売上高は480億円、341店舗の調剤薬局を展開している(2016年5月末時点)。調剤薬局業界は、業界再編・集約化が行われやすいといわれる小売業の中でも今まさに業界再編の真最中。同社もその例に漏れず、1997年の愛知県のみなみ薬局の買収を皮切りにM&Aにより事業拡大を行ってきた。同社のM&A戦略と今後の課題を探った。

【企業概要】
病院に隣接した出店が中心

 ファーマライズホールディングスは大きく3つの事業を運営している。主力の調剤薬局事業は、健康保険法に基づく保険薬局として、医療機関の発行する処方せんに基づき、一般患者に医薬品の調剤を行う調剤薬局を経営する。持株会社体制のもとで北海道から沖縄までの地域を、各事業子会社がきめ細かく運営している点に特徴がある。病院に隣接した出店を中心に、多くの処方せんを受け取る医療機関と密接な連携体制を築いている。

 2つ目が物販事業。子会社を通じて、ドラッグストア、コンビニエンスストアの運営や化粧品の販売を手がけている。3つ目が医学資料保管・管理事業。医療機関が患者を診察した際に記録するカルテやレントゲンフィルムなどの医学資料を、医療機関に代わり倉庫で保管・管理する。

 ①地域医療への貢献 ②患者への良質な医療サービス ③医薬情報の共有化を基本方針に掲げている。また経営目標として2018年5月期の連結売上高525億円以上、自己資本利益率(ROE)は5%以上の維持、将来的に10%をめざしている。

【経営陣】
創業者の大野会長、三菱銀行出身の岩崎社長

 代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)は大野利美知氏。大野氏は1984年、東京都豊島区に株式会社東京物産(現ファーマライズホールディングス)を設立して社長に就任。2016年8月から会長に就任した。66歳。

 社長兼最高執行責任者(COO)は岩﨑哲雄氏。三菱銀行(現東京三菱UFJ銀行)出身で、2008年にファーマライズに入社。2016年8月に社長に昇格した。62歳。

【株主構成】
大野会長、持ち株比率35%

ファーマライズホールディングスの上位株主

氏名又は名称 所有株式数(株) 持株比率(%)
大野 利美知 3,159,900 35.1
中北薬品㈱ 396,000 4.4
㈱バイタルネット 396,000 4.4
㈱ほくやく 396,000 4.4
ファーマライズ従業員持株会 310,500 3.4
大野 小夜子 253,200 2.8
エア・ウォーター㈱ 150,000 1.7
日医工㈱ 150,000 1.7
平松 仁 132,000 1.5
明治安田生命保険相互会社 100,000 1.1
5,443,600 60.4

2016年5月31日時点、有価証券報告書に基づき作成

 筆頭株主は創業者の大野会長。持ち株比率は35%とダントツで、そのほかの株主は5%以下にとどまっている。大野会長がオーナー兼CEOとして所有と経営を一致させて意思決定のスピードを速めている。