ドラッグストア業界は非常に業界再編が激しい業界の一つで、主としてマツモトキヨシグループとイオン系列グループの2グループが業界を席巻している。資本業務提携をはじめとしたM&Aが盛んに行われており、地場の優良企業を自社グループ傘下に収め、グループの流通網・自社グループのブランド店舗に加えていく傾向がある。

 その中、イオングループ傘下でグループをけん引しつつ、独自路線・独自ブランドを崩さない企業がある。北海道を中心に全国で店舗運営している、ツルハホールディングス<3391>だ。同社は、赤を基調とした看板のツルハドラッグ、クスリのツルハなどの商号を持つドラッグストア大手で、創業は1929年、北海道旭川市で「鶴羽薬師堂」という店舗名で運営していた。

 75年9月に札幌に進出。ここから本格的なチェーン展開を始め、85年3月には50店舗、87年に東京都大田区六郷に店舗を開店し関東へ進出、89年7月には100店舗達成と爆発的に店舗網の拡充をしていった。

 95年に先述のとおり、イオングループ<8267>(※当時ジャスコ)の資本を受け入れ資本業務提携し傘下入りするも、現在に至るまでイオングループの中で独自路線を貫いている。これはひとえに、ツルハの持つブランド力がイオングループのブランドと比べても遜色がなく、かつ業績的に見ても優れているためだと推測できる。

 ツルハは現在、全国1660店舗を運営している。ブランド力の向上、店舗網の拡充については、かなり早い段階からのM&Aの活用が成長剤になっているのは間違いなく、その歴史をひもといてみたい。

以下の沿革表を基に解説していく。

■ツルハホールディングスの主なM&A

年月 概要
1929.5 北海道旭川市に鶴羽薬師堂創業
1956.8 ツルハ薬局に屋号変更
1963.6 北海道旭川市にツルハ薬局(現ツルハホールディングス)を設立
1975.5 クスリのツルハコントロールセンター(現ツルハ)を北海道旭川市に設立
1985.3 店舗数50店舗となる
1989.7 店舗数100店舗となる
1991.8 クスリのツルハコントロールセンターからツルハに商号変更。ツルハが本社を札幌市東区に移転
1993.2 ツルハ薬局をクレーン商事(現ツルハホールディングス)に商号変更
1995.1 ジャスコ(現イオン)と業務・資本提携契約を締結
1997.12 クスリのアオキと業務・資本提携契約(持株比率10%)を締結
1999.4 店舗数200店舗となる
2000.11 ツルハがドラッグトマト(岩手県)の全株式を取得し子会社化
2001.2 ツルハが東京証券取引所市場第二部に上場
2001.11 ツルハがリバース(神奈川県)を株式交換により子会社化
2001.11 店舗数300店舗となる
2002.5 ツルハが東京証券取引所市場第一部銘柄に指定
2002.5 グループ売上高1000億円突破
2002.6 ツルハがポテトカンパニー (山形県)の全株式を取得、子会社化
2003.5 ツルハが子会社ドラッグトマトを吸収合併
2003.10 ツルハがくすりの寺田(山梨県)から調剤薬局事業5店舗を事業譲渡(価額非開示)
2004.2 クレーン商事が札幌市東区に本店を移転
2004.3 ツルハが子会社ポテトカンパニーを吸収合併
2004.4 店舗数400店舗となる
2004.10 リバースがエバラドラッグ(神奈川県)から調剤薬局事業5店舗を事業譲渡(価額非開示)
2005.3 ツルハが三光グループ(青森県)から調剤薬局事業8店舗を事業譲渡(価額非開示)
2005.8 クレーン商事をツルハホールディングスに商号変更
2005.11 株式交換によりツルハをツルハホールディングスの完全子会社とする
2005.11 ツルハグループの持株会社として東京証券取引所市場第一部へ上場
2006.8 店舗数500店舗となる
2006.11 くすりの福太郎(千葉県)と業務・資本提携契約(持株比率36.5%)を締結
2007.4 ツルハが信陽堂薬局(千葉県)からドラッグストア事業11店舗を事業譲渡(価額非開示)
2007.5 くすりの福太郎(千葉県)を株式交換(36.5%→100%、約75億円相当)により子会社化
2008.4 PB商品開発のウイング(北海道)の株式を取得(14%→51%、700万円)子会社化
2008.5 グループ売上高2000億円突破
2008.7 スパーク(愛知県/滋賀、7店舗運営)の全株式を取得(0%→100%、約8500万円)、子会社化
2009.1 店舗数800店舗となる
2009.2 ウェルネス湖北(島根県、28店舗運営)の全株式を取得(0%→100%、約33億円)、子会社化
2009.6 リバースが仁天堂(神奈川県、5店舗運営)の全株式を取得(0%→100%、約6700万円)、子会社化
2009.8 クラフトのドラッグストア事業の新設会社(首都圏、19店舗)の全株式を取得(0%→100%、約13億円)、子会社化
2009.11 くすりの福太郎がセベラル(東京都)からドラッグストア事業5店舗の事業譲渡(価額非開示)
2010.4 店舗数900店舗となる
2010.5 リバースが仁天堂(神奈川県)を吸収合併
2011.4 ウイング(北海道)の株式を取得(51%→100%、4400万円)、子会社化
2012.4 店舗数1000店舗となる
2013.7 くすりの福太郎がかねまん薬局総本店マルモ薬品(東京都)からドラッグストア・調剤薬局事業3店舗を事業譲渡(価額非開示)
2013.8 ウエダ薬局(和歌山県、14店舗)の全株式を取得(0%→100%)、子会社化(価額非開示)
2013.10 ツルハがかもめ(高知県)からドラッグストア・調剤薬局事業14店舗を事業譲渡(価額非開示)
2013.12 ハーティウォンツ(広島県、140店舗)の株式を取得(0%→56%、約101億円)、子会社化
2015.3 ハーティウォンツが共栄ファーマシー(大阪府)から広島県内のドラッグストア・調剤薬局事業5店舗を事業譲渡(価額非開示)
2015.4 ツルハが、フジ(愛媛)とともにレデイ薬局(愛媛、200店舗超)の株式を公開買付(34.32%→63.58%、約25億円)
2015.7 ツルハが、フジとともにレデイ薬局の株式を2回目の公開買付(63.58%→97.42%、約35億円)