「洋服の青山」で知られる青山商事<8219>はスーツを主体に紳士服業界の売上高首位を誇る。しかし少子化や景気低迷を背景にこの10年でスーツの市場は3割も縮小した。危機感を募らせた青山商事は2010年以降にM&Aを本格化する。靴やかばんの修理店「ミスターミニット」の運営企業を買収するなどして新たな収益源を育てる考えだ。

【企業概要】郊外型の紳士服専門店を展開

 青山商事は広島県福山市に本社を構える。「スーツ売上No.1」の謳い文句で知られる「洋服の青山」を中心に紳士服の小売店を多数擁し、2016年3月期の売上高は2,402億円、全業態を合わせたビジネスウェア小売店舗は874店舗に上る。

 青山商事の設立は1964年。広島県府中市で、当時は紳士服を主体としながらも食料・飲料品や県の特産品等も取り扱っていた。1974年に現在の本業の先駆けとなる郊外立地型の紳士服専門店・洋服の青山を開店。こうした立地・業態での出店は当時は業界初の試みであったが、消費者からの好評を博し、以降続々と郊外型店舗を出店する。1985年に大証二部、1990年に東証二部に上場を果たす。

【経営陣】創業者の長男、青山理氏が社長

 代表取締役社長の青山理(おさむ)氏は創業者の青山五郎氏の長男。1981年に青山商事に入社し、商品部長や営業本部長を経て2005年に社長に就任した。57歳。

【株主構成】金融機関を中心に分散

青山商事の主要株主
株主名称 保有株式数(千株) 持ち株比率(%)
日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口) 6,303 11.37
いちごトラスト・ピーティーイー・リミテッド 4,982 8.99
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 4,354 7.86
(有)青山物産 4,298 7.75
ステートストリートバンクアンドトラストカンパニー505001 2,449 4.42
資産管理サービス信託銀行(証券投資信託口) 2,143 3.87
BBHカストディアンフォーJPバリューエクイティーコンセントレイティッドエイシリー620135 2,073 3.74
シービーエヌワイデイエフエイインターナショナルスモールキャップバリューポートフォリオ 1,878 3.39
青山理 1,661 2.99
バンク・オブ・ニューヨーク・トリーティ・ジャスディック 1,030 1.86
31,171 56.24
2016年9月末時点

 大株主は金融機関を中心に分散しており、筆頭株主は12.67%を保有する日本トラスティ・サービス信託銀行である。創業者の長男である青山理氏が代表取締役社長を務めるが、創業家である青山一族は有限会社青山物産を通じて7.75%を保有、青山理社長が2.99%を保有する。合わせても10%強であり、同族会社とは程遠い。