ニプロ<8086>がM&Aをテコに医療関連事業を拡大している。医療機器、医薬品、医療用硝子材料など幅広い製品を持ち、医療現場のニーズに密着した製品を開発する。成長分野である人工透析関連機器では海外メーカーを買収し世界トップシェアを狙う。国内のバイオベンチャーにも出資、将来に向けた種まきに余念がない。ニプロの成長をけん引するM&A戦略を解剖する。

【企業概要】M&Aから始まった主力の医療機器事業

 ニプロは医療機器・医薬品・医療用硝子材料と、幅広い分野の医療関連製品を取り扱う会社である。特に医療機器分野における人工透析関連機器では、世界的にも高いシェアと技術力を有する企業である。

 創業は1947年、滋賀県大津市で電球再生事業から始まった。1954年に日本硝子商事(現ニプロ)を京都市に設立し、アンプル用硝子管や医療用硝子製品を販売する。本店を大阪市に移転した後は、魔法瓶用中瓶加工の自動機械を開発し、魔法瓶用硝子の販売を開始する一方、スーパーマーケット事業(後のニッショーストア)にも参入している。

 同社の現在の主力事業である医療機器事業は、1969年に富沢製作所(群馬県館林市)に出資し注射針の生産を行ったことから始まる。この時期から同社は医療分野に本格的に軸足を移し、その象徴的な製品がダイアライザー(人工腎臓)であった。ダイアライザ―は人工透析に用いられ、同社の製品は国内外で高いシェアを誇る。

 ニプロの歴史は、アンプル硝子の販売から着実に事業を拡大し、複数回にわたるM&Aを繰り返す中で現在の社名「ニプロ」となり、メイン事業も医療機器事業へとシフトしていることが特徴である。

 1996年12月に東京証券取引所第一部に上場を果たした同社は、その後も成長を続け、2016年3月期決算において、売上高約3600億円、経常利益約140億円、子会社83社、関連会社5社、連結従業員数24,243名であり、2014年時点での国内医療機器メーカー売上高では3位(出所:業界動向serch.com(http://gyokai-search.com/4-iryo-uriage.html))となっている。