吉野家ホールディングス<9861>がM&Aを通じて事業の多角化に取り組んでいる。かつては牛丼の一本勝負だったが、2004年に発生したBSE(牛海綿状脳症)問題を機にうどんやステーキなど複数の収益の柱を建てようとしている。しかし、取り組みは道半ばで、全社の業績を大きく押し上げるには至っていない。吉野家HDのM&Aの特徴と課題を検証する。

【企業概要】牛丼を軸に寿司、うどん、ステーキも展開 

 吉野家HDは、牛丼の「吉野家」を傘下に持つ持株会社である。傘下には「吉野家」のほか、鮨のテイクアウト及び回転寿司を展開する「京樽」、うどんの「はなまる」、ステーキ及びしゃぶしゃぶレストランの「アークミール(旧社名:どん)」などがある。2016年6月にはラーメン店を展開する「せたが屋」を買収(議決権は66.5%)し、大きな話題となった。

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 吉野家は1899年に東京の魚河岸に個人商店として誕生したのが始まりである。チェーン展開で拡大するも、1980年には業績不振のため会社更生法の適用申請を行い、1983年にセゾングループの傘下に入る。しかし、1987年には上記更生計画も終わり(債務の完済)、1990年には株式公開まで漕ぎつけた。1999年には、会社更生法の適用を受けた京樽の再生支援に乗り出したのち、2000年には東証一部に上場。2005年には、再生支援を行っていた京樽をジャスダック市場へ上場させるまでに至った。