共同購入型クーポンサイトの米グルーポンが2020年9月28日、日本市場からの撤退を発表した。2010年8月、同社がその2カ月前に光通信<9435>出身者が創業したばかりだった同業ベンチャーのクーポッド(Q:pod)を1000万ドル(約8億5000万円)で買収して日本に進出。「格安で商品購入やサービスを受けられる」と一世を風靡(ふうび)した。
しかし、同年末に半額の触れ込みで販売したおせち料理の内容がウェブサイトで紹介された画像とは全く違う「スカスカおせち事件」で信用が失墜。同年1月から3カ月連続でクーポン売り上げが減少し、リクルート<6098>が運営する競合サイトのポンパレに初めて首位を明け渡した。
その後は「鳴かず飛ばず」の状況が続き、進出から10年で日本から引き上げることになった。同社は撤退を発表した28日をもって、クーポン販売を停止。販売済みのクーポンは有効期限内であっても12月27日までしか使えないが、その場合は返金に応じるという。
一般にグルーポンが日本市場で失敗した理由は「スカスカおせち」などのトラブルで顧客の信用を失ったことにあるとされる。確かにトラブルは多かった。クーポン客向けの商品の質や量を落とすダウングレードや、本来は5000円の商品やサービスを「通常1万円のところを半額提供」とする定価水増しなども発生している。問題は、なぜこうしたトラブルが頻発したのかということだ。
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