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事業売却の手を緩めない「武田薬品」次に白羽の矢が立つのは

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写真はイメージです

武田薬品工業<4502>の事業売却が止まらない。同社は2020年9月16日に、組織接着・閉鎖パッチ剤TachoSil事業を米国のヘルスケア関連企業のCorza Healthに3億5000万ユーロ(約430億円)で売却すると発表した。

アイルランドの製薬会社シャイアーの買収で膨らんだ借入金の返済のために進めている非中核事業売却の一環で、今回が9件目の発表となる。 

売却の目標額は100億ドル(およそ1兆円)。目標はすでに達成しているものの、同社では今回の売却に関し、非中核事業売却などから得られる資金で、迅速な借入金の圧縮に取り組むとの方針を改めて表明しており、まだまだ売却の手を緩める気配はない。次に白羽の矢が立つ事業は何だろうか。 

売却額はどこまで伸びる 

組織接着・閉鎖パッチ剤TachoSil事業は2019年5月にJohnson&JohnsonグループのEthiconに譲渡することで合意していたが、欧州委員会による独占禁止法上の懸念が生じたため、2020年4月に契約を解除していた。 

TachoSilは安全で迅速に止血ができる手術用のパッチ剤で、2020年3月期の売上高は約1億6000万ドル(約166億円)だった。事業売却後はCorza HealthがTachoSilの開発、販売を行い、製造については武田薬品が引き続き担当するという。 

武田薬品はシャイアー買収後の2019年5月に、ドライアイの兆候・症状の治療薬Xiidraをスイスの大手製薬会社Novartisに最大53億ドル(約5512億円)で売却すると発表したのを皮切りに次々と非中核事業を売却。 

2020年8月24日には武田薬品の歴史に大きな役割を果たしてきたビタミン剤のアリナミンなどの大衆薬事業を手がける子会社の武田コンシューマヘルスケア(東京都千代田区)を、米投資ファンドのブラックストーン・グループに売却すると発表した。 

売却価格は企業価値の2420億円に有利子負債などを勘案した上で確定するとしており、現時点では正確な金額は未定だが、ほぼ企業価値に近い23億ドルほどになる見込み。 

さらに9月8日には欧州、カナダで販売する一部の医療用医薬品事業をドイツの医薬品会社Cheplapharmに5億6200万ドル(584億円)で売却し、同16日には今回の組織接着・閉鎖パッチ剤TachoSil事業を売却した。このわずか1カ月ほどで3件の売却を実現し、その売却額は3000億円を超えた。

これまでの合計の売却額は約112億ドルに達する。このペースが続くとは思われないものの、数字はどこまで伸びるだろうか。数字の伸びは財務体質の改善につながるだけに、投資家の関心は高そうだ。

【武田薬品工業が売却した非中核事業】

2020年9月 組織接着・閉鎖パッチ剤TachoSil事業を米国のヘルスケア関連企業のCorza Healthに3億5000万ユーロ(430億円)で売却
2020年9月 欧州、カナダで販売する一部の医療用医薬品事業をドイツの医薬品会社Cheplapharmに5億6200万ドル(584億円)で売却
2020年8月 大衆薬を手がける武田コンシューマーヘルスケア(東京都千代田区)を米投資ファンドのブラックストーン・グループに約23億ドル(約2420億円)で売却 
2020年6月 アジアなどでの一部の一般用医薬品と資産を韓国のバイオ医薬品企業Celltrionに2億7800万ドル(289億円)で売却
2020年4月 欧州での一部の一般用医薬品や製造施設をデンマークの製薬会社Orifarm Groupに6億7000万ドル(696億円)で売却
2020年3月 ラテンアメリカでの一部の一般用医薬品と資産をブラジルの製薬会社Hypera Pharmaに8億2500万ドル(858億円)で売却
2019年11月 ロシアなどでの一部の一般用医薬品と資産をドイツの製薬会社STADAに6億6000万ドル(686億円)で売却
2019年10月 中近東・アフリカでの一部の一般用医薬品と資産をスイスの製薬会社Acinoに2億ドル以上(208億円)で売却
2019年5月 ドライアイの兆候・症状の治療薬Xiidraをスイスの大手製薬会社Novartisに最大53億ドル(5512億円)で売却

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

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