シャープ版「アベノマスク」発売へ 新たな「販売の起爆剤」に

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女性や子供でもぴったりフィットするシャープの小型マスク(同社ニュースリリースより)

自社生産した不織布マスクを抽選でネット販売しているシャープ<6753>が、2020年9月22日に応募を締め切る第22回抽選分から、小型マスクを追加発売する。いわばシャープ版「アベノマスク」で、縦幅は普通サイズと同じ9.5センチだが、横幅を普通サイズより3センチ小さい14.5センチに小型化した。

シャープ版「アベノマスク」は争奪戦に?

初回抽選分の販売予定数は、普通サイズの17分の1以下の5000箱。市中マスク流通量の増加で新規申込者が減少傾向にあるシャープ製マスクだが、それでも直近の競争率は100倍を超えている。販売数が少ない小型版の追加で、競争率が再度急上昇する可能性もある。

小型化したことで女性や子供など顔が小さい人でも隙間(すきま)なく、ぴったりとマスクを着用できる。価格は普通サイズと同じ1箱50枚入り3278円(税込)。送料は全国一律660円(同)。従来通り、同社三重工場(三重県多気郡多気町)のクリーンルームで製造する。

国内のマスク供給は潤沢だが、8月にピークを迎えた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第二波の影響が残っている上に、秋から冬にかけて第三波の懸念や季節性インフルエンザの流行などから、シャープ製マスクの販売は今後も堅調に推移するとみられる。

シャープは不織布マスクの発売以来、自社サイトだけでしか販売していない。商品流通や在庫が潤沢な場合、マスクの出荷価格は半値以下とみられる。アマゾンや楽天市場などの大手ネット通販で販売した場合、出品者が支払う手数料は8〜16%程度だ。

自社ネット通販専売にすることで、粗利率は大幅に向上する(同社ニュースリリースより)

1箱当たりの粗利益を比べると、ドラッグストアやコンビニエンスストアなどの店頭販売より約1600円、ネット通販より260〜520円程度高い。全数量を店頭販売するのに比べて毎週約1億4000万円、ネット通販に比べても同約2200万〜4500万円高くなる計算だ。年間だと店頭販売より約73億円、ネット通販よりも11億〜23億円の粗利を上乗せできる。

自社通販であれば意図しない値引き販売も発生せず、「抽選販売」を続けることで希少性も高まる。小型マスクの追加で競争率が高まれば、さらに消費者に希少性をアピールできるだろう。シャープのマスク戦略の要(かなめ)は高品質な製品づくりよりも、販路を自社ネット通販に絞り込んだマーケティング戦略にある。

文:M&A Online編集部

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