「コロナ」下、2020年度もいよいよ後半戦に突入する。10月をもって社名変更する上場企業は近年で最も多い18社を数える。その顔ぶれや新社名に込められた思いは?

創立70周年を控える「TBS」

東京放送ホールディングスは10月1日付で「TBSホールディングス」に名前を変える。傘下の「TBSテレビ」「TBSラジオ」「BS-TBS」などでは以前から略称の「TBS」を冠しているが、持ち株会社名は「東京放送」のままだった。

同社は2021年に創立70周年を迎える。「TBSホールディングス」のもとで、総合メディアグループとして企業価値とブランド力の向上を目指す。

発電所や工場で使われる高温・高圧バルブを製造する東亜バルブエンジニアリングも、略称やロゴとして定着した「TVE」に社名を変える。

パートナーエージェントは「タメニー」に

その名も「タメニー」。婚活支援大手のパートナーエージェントの新社名だ。「世のため人のためになる」との決意を込めた。同社は婚活支援の草分け企業で、2015年に東証マザーズに上場。近年はウエディング領域にも事業を拡大している。第二の創業期と位置づけ、社名変更に踏み切る。

AV機器のオンキヨーは傘下のオンキヨー&パイオニアを吸収合併するのに合わせ、オンキヨーホームエンターテイメントに変更する。経営再建中の同社だが、出直しを期す。商品先物大手の岡藤ホールディングスは日産証券との経営統合を受け、「岡藤日産証券ホールディングス」に改める。

リズム時計工業は社名から「時計」を外し、「リズム」とする。時計市場の縮小を受け、新たな成長基盤を模索する。

半数の9社は持ち株会社制移行に伴う変更

10月1日に社名変更する18社のうち、半数の9社は持ち株会社への移行に伴うもので、「ホールディングス」を新たに付け加えるパターンが一般的だ。

「ヤマダホールディングス」とするのはヤマダ電機。家電販売にとどまらず、「暮らしまるごと」をコンセプトに住宅事業への展開を加速し、子会社が増えている。持ち株会社を司令塔とし、グループの経営管理機能を高める。ヤマダは9月初めに、注文住宅のヒノキヤグループ(東証1部)の子会社化を発表し、現在、TOB株式公開買い付け)を実施中。

持ち株会社制移行に伴い「ヤマダホールディングス」に社名変更するヤマダ電機

酒類販売のカクヤスは「カクヤスグループ」となる。東京23区を主戦場としてきたが、ここへきて地方展開に着手。その一環としてM&Aにも取り組んでいる。

飲食関連では、中華料理「大阪王将」のイートアンド、居酒屋「塚田農場」のエー・ピーカンパニーが持ち株会社化に伴い社名変更する。

16年ぶりに「日本酸素」が復活

16年ぶりに「日本酸素」の名前が持ち株会社として復活するのは、産業ガス国内最大手の大陽日酸。2004年に日本酸素と大陽東洋酸素が合併して誕生したが、その大陽日酸は「日本酸素ホールディングス」傘下の中核事業会社の社名として残る。

反対に、持ち株会社制を廃止するのは光学機器製造のテクノホライゾン・ホールディングス。主要事業会社3社を本体に吸収して「ホールディングス」を外す。

社名変更は年間を通じて1月、4月、7月と並んで10月に集中する。2020年は1月8社、4月と7月が各6社で、10月が18社と突出し、2016年以降の5年間で最も多い。

最後に番外編を一つ。昭和電工が約9600億円の巨費を投じて買収した日立化成は10月1日に「昭和電工マテリアルズ」となる。

◎2020年10月1日:上場企業の社名変更(証券コード順)

新社名 変更前
ツクイホールディングス ツクイ
コメ兵ホールディングス コメ兵
イートアンドホールディングスイートアンド
エー・ピーホールディングス エー・ピーカンパニー
日本酸素ホールディングス 大陽日酸
広栄化学 広栄化学工業
タメニーパートナーエージェント
TVE 東亜バルブエンジニアリング
オンキヨーホームエンターテイメント オンキヨー
テクノホライゾン テクノホライゾン・ホールディングス
エヌエフホールディングス エヌエフ回路設計ブロック
カクヤスグループ カクヤス
リズム リズム時計工業
クワザワホールディングス クワザワ
ジャフコグループ ジャフコ
岡藤日産証券ホールディングス 岡藤ホールディングス
TBSホールディングス 東京放送ホールディングス
ヤマダホールディングス ヤマダ電機

文:M&A Online編集部