「ソフトバンク」は、なぜ2000円でPCR検査ができるのか

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写真はイメージです

ソフトバンクグループ<9984>の子会社である新型コロナウイルス検査センター(東京都港区)が、新型コロナウイルスのPCR検査を1回2000円(送料などは除く)で実施する。現在一般的な検査費用は1回2万-4万円のため、10分の1以下という低価格だ。 

使用する検査キットはタカラバイオ<4974>の製品で、100万回分を確保しているという。これほどまで安くできる検査キットとはどのようなものなのか。またこのキットを活用して低価格検査を実現した仕組みとはどのようなものなのか。 

1時間ほどで検査結果 

タカラバイオの検査キットは2020年5月1日に発売されたもので、唾液を検体として簡単、迅速に新型コロナウイルスのPCR検査が行える。 

従来、新型コロナウイルスのPCR検査には、被験者の鼻や喉の奥から検体を採取する方法が採られてきたが、唾液で検査することで、被験者に身体的な負荷や、採取時のくしゃみや咳による医療従事者への感染のリスクなどを低減できる。 

タカラバイオの検査キット
(ソフトバンクグループの説明資料より)

厚生労働省は2020年6月に、発症から9日以内であれば、鼻や喉の奥から検体を採取する方法と比べ結果に差がないことから、唾液によるPCR検査を認めている。 

さらに同検査キットは、従来行っていた煩雑なRNA抽出工程(約1時間)が不要で、検体に同キットに付属している簡易抽出試薬を混合し、その後95℃で5分間熱処理するだけで、そのままPCR装置にかけることができる。 

PCR処理は約50分で行うことができるため、前処理時間を含むトータルの検査時間が、大幅に短縮でき、最速1時間ほどで検査結果を出すことが可能。検査キットの価格は100回分が12万円のため1回当たりの費用は1200円になる。 

利益は医療機関などに寄付 

このキットを用いて、新型コロナウイルス検査センターは国立国際医療研究センター国府台病院(千葉県市川市)内に新設した東京PCR検査センターで、自治体や法人を対象に、PCR検査を行う。 

同センターは国立国際医療研究センターの指導で設計されており、衛生検査所として登録を認可されている。1日に4000件の検査が可能で、今秋中に1日1万件の検査体制を構築する。 

検査は申し込みを行うと、検査キットが届き、自身で検体を採取し送り返せば、後日検査結果が知らされる仕組みで、試算では関東の50人規模の工場では、検査料金と送料を含めると一人当たり2117円で検査が受けられる。

同社では今回の低価格PCR検査によって、「新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止と経済活動の早期正常化に貢献していく」としており、赤字覚悟で検査を実費の2000円で実施することにした。同検査事業で利益が出た場合は医療機関などに寄付するという。

文:M&A Online編集部

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