JR四国の経営が、いよいよ行き詰まってきた。2020年7月の鉄道収入は前年同期比60%減となり、8月1日から23日の速報値も同65%減とさらに落ち込んでいる。会社発足時から一度も営業黒字になったことはなく、今後も黒字化する見込みはない。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大で、同社の存続に「赤信号」が点灯した格好だ。JR四国の未来はどうなるのか?

深刻な打撃を与えたコロナ禍による観光客激減

「収入は今後どこまで回復するか、現時点ではなかなか見込みが立たない」。JR四国の西牧世博社長は2020年8月31日の定例記者会見で、そう打ち明けた。同社は減便と運賃引き上げを柱とする経営再建策の検討に入り、2021年4月にも値上げに踏み切る可能性が高い。

JR四国は鉄道の高速化が遅れ、自動車との厳しい競争にさらされてきた。そのため利用者離れにつながる運賃値上げには消極的で、消費税増税以外での値上げは1996年以来24年ぶりとなる。それほどJR四国の「台所事情」は苦しいのだ。

全国的に見れば新型コロナ感染者は少なく、通勤・通学客の利用は回復傾向にある。が、東京や大阪などの大都市圏のコロナ自粛で「頼みの綱」だった観光客の利用が激減。書き入れ時の夏休み期間も空振りに終わった。

今後コロナ感染が落ち着いたとしても、運賃値上げにより「固定客」の通勤・通学客や「日常の足」として利用している顧客層が離れる可能性が高い。値上げでJR四国の経営が持ちこたえたとしても、ごく短期間だろう。

そうなれば当然、JR四国をどう支えるのかという問題が持ち上がってくる。現時点で考えられる可能性は三つだ。