新型コロナウイルスの影響で2020年5月期に最終赤字に陥っていた回転すし店「すし銚子丸」を運営する銚子丸<3075>が2021年5月期に黒字転換する。

新型コロナウイルスの影響はあるものの、新時代の収益モデルに移行することで1年で赤字からの脱却を目指す。復活のシナリオはどのようなものなのか。 

テイクアウト専門店を初出店 

銚子丸は2020年6月29日に発表した2020年5月期の決算発表時に、2021年5月期の業績見通しを予想困難として開示していなかった。3カ月後の9月15日に発表した2021年第1四半期決算では、新型コロナウイルスの影響をある程度予想できる環境になったと判断、予想数字を公表した。 

それによると2021年5月期は、売上高178億700万円(前年度比1.5%減)、営業利益3億600万円(同4.28倍)、経常利益3億2900万円(同2.36倍)、当期利益1億4900万円(前年度は9300万円の赤字)の見込み。 

売上高は2021年5月期第1四半期の売上高が前年同期比11.4%減だったことから、これを基準に新型コロナウイルス感染症拡大前の9割程度で推移すると想定して算出した。 

利益はコスト削減に取り組むとともに、コロナ後の新時代の収益モデルへの移行を積極的に推進することで黒字化を見込む。 

同社は新時代の収益モデルへの移行の取り組みとして、テイクアウトメニューの充実や、出前館、ウーバーイーツによるデリバリーサービスの強化を打ち出したほか、8月末には初の販売形態であるテイクアウト専門店を出店した。 

同社ではテイクアウト専門店を「コロナ後の店舗戦略を積極的に推進する第一歩となる出店」と位置づけており、今後こうした販売形態を拡充していく計画だ。 

飲食店の倒産が過去最高に

飲食業では多くの企業が新型コロナウイルスの影響で苦境に陥っており、打開策としてデリバリーやテイクアウトに取り組んでいるものの、苦境から脱し切れていないのが実情。

東京商工リサーチが9月17日17時時点でまとめた新型コロナウイルスが原因の飲食店の倒産件数は74件に達しており、2020年の飲食業の倒産件数は過去最多を更新する見込みという。

銚子丸は果たしてデリバリーやテイクアウトで予想通りの業績を達成することができるだろうか。同社の動向に飲食関係者の関心が集まりそうだ。

【銚子丸の業績推移】単位:億円、2021年5月期は予想

  2019年5月期 2020年5月期 2021年5月期
売上高 193.16 180.76 178.07
営業利益 9.37 0.71 3.06
経常利益 9.82 1.39 3.29
当期損益 5.05 △0.93 1.49

文:M&A Online編集部